国土交通省、建設現場における「遠隔臨場」を2022年度から本格実施産業動向

国土交通省は、直轄土木工事の各種確認行為を非接触・リモートで行う「遠隔臨場」を、2022年度より本格実施する。それに伴い、実施要領(案)の策定と事例集を発刊した。

» 2022年05月02日 08時00分 公開
[BUILT]

 国土交通省は、直轄土木工事の各種確認行為を非接触・リモートで行う「遠隔臨場」を、2022年度より本格実施することを発表した。

 従来、直轄土木工事の「段階確認」や「立会」「材料確認」は、監督職員が現場に出向き、発注者立会のもと行っていた。

 2020年度からは、生産性向上や非接触・リモート化に向け、現地に出向かずWeb通信を使用した「遠隔臨場」の試行を行ってきた。その結果、2020年度には全国で760件、2021年度には約1800件程度と普及が進み、現場への移動時間や、立会に伴う受注者の待ち時間の短縮などの効果が確認された。

 これらを踏まえ、2022年度から本実施に移行するため、「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」および「建設現場の遠隔臨場に関する監督・検査実施要領(案)」を策定し、普及のための「建設現場の遠隔臨場の取組の事例集」を発刊した。

 実施要領のポイントとして、原則、2022年4月1日以降の発注、または施工中で対象工種のある全ての工事に適用する。全て発注者指定型として実施し、遠隔臨場実施にかかる費用の全額を技術管理費に積上げ計上する。各確認項目において遠隔臨場の適用性(目安)を公表する。発注者の標準的な通信環境の仕様を公開し、発注者側の通信接続問題の解消を期待する。動画撮影用のカメラ、Web会議システムなどの仕様の参考数値を実施要領に記載している。

 また、遠隔臨場が初めでも安心して取り組めるよう、活用事例集を作成し、現場の声を紹介している。

 今後は、遠隔臨場の取り組みを広げると共に、中間技術検査などへの適用についても検討を進め、引き続き、監督・検査段階における業務効率化に努めるという。

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