スウェーデンハウス 代表取締役社長 村井秀壽氏は、コロナ禍で集客数が制限されるなか、“現実の”モデルハウスに依存する販売形態を変革する必要性を強調し、「今後は、メタバースの領域が進化する」と述べたうえで、スウェーデンハウスも、この分野に積極的にコミットする考えを表明した。
野原ホールディングス 代表取締役社長 野原弘輔氏も、仮想空間が今後の事業展開のカギと見る。「デジタルツイン(現実世界に実在するものを、リアルに再現した仮想空間)分野について、今後も鋭意開発を進め、住まい手の未来をアップデートする取り組みを続けたい」と語る。
先般、ソニーグループがメタバースを成長領域に位置付ける、というニュースが報じられた。住宅業界に限らず、メタバース(あるいは、デジタルツイン)は、あらゆる業種で注目を集めている。
一方で、いまはまだ、「誰にでも身近なサービス」にはなっていない。プレスセミナーでは、そのことを裏付ける数字が発表された。
スウェーデンハウスは、2022年3月22日〜25日の期間で、全国20〜60代の男女合計500人を対象に実施したインターネット調査「コロナ禍2年目における住まいの意識調査」(オリコン・モニターリサーチ)を実施。それによると、メタバースを知っていると回答したのは全体の34.2%。知っていても利用したことのある人は全体で3.4%にとどまり、最も高い割合となった20代でも5.0%にすぎなかった。
さらにメタバースを活用したサービスの利用状況では、ゲームや他人とのコミュニケーション、ショッピングなどのサービスが3〜5割を占めたのに対し、住宅・マンションの検討は0%。住宅購入というシーンでは、メタバース利用が全く進んでいないことが明らかになった。
ただし、スウェーデンハウス 執行役員 営業推進部部長 大川保彦氏は、調査結果には明るい兆しもみられると話す。「今後使ってみたいメタバース関連サービスでは、『住宅・マンションの検討』は全体で15.8%。住宅購入を検討する方の多い30代では約20%、40代では30%に上る。さらに高額商品について、3D仮想空間サービスで事前確認することが、購入のなんらかの後押しになると考えている人は、全体の51%に達した」(大川氏)。
調査対象者の半分近くが、将来は住宅といった高額商品の購入時にメタバースをはじめとする3D仮想空間サービスを利用したいと考えている、ということだ。
セミナー中に大川氏は、1枚のイメージ画像を示した。
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