北海道石狩市で太陽光やグリーン水素を利用した小規模マイクログリッド:産業動向
高砂熱学工業が北海道石狩市のPFI法に基づくコンセッション方式による「石狩市厚田マイクログリッドシステム運営事業」の事業者に選定、石狩厚田グリーンエネルギーを設立し、2022年4月1日から運営を開始した。地方都市における低炭素・防災機能強化による安全な地域づくりを実現する。
高砂熱学工業は2022年1月、北海道石狩市のPFI法に基づくコンセッション方式による「石狩市厚田マイクログリッドシステム運営事業」の事業者に選定された。同社は運営会社として、同社100%出資の「石狩厚田グリーンエネルギー」を設立し、2022年4月1日より運営を開始した。石狩厚田グリーンエネルギーが2032年3月までの10年間、同システムを運用していく。
同事業は、高砂熱学・北弘電社共同事業体が北海道石狩市厚田地区に建設した、再生可能エネルギーとグリーン水素を基軸とする、地産地消の新たな電力供給モデルとなるマイクログリッドの運営事業だ。同システムは、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震に伴う全域停電(ブラックアウト)を教訓として、近隣の5つの施設である道の駅や学校、消防署、給食センター、ポンプ場を結ぶ。
平常時は、系統電力と太陽光発電の両方から電力を供給し、太陽光発電の余剰電力は、蓄電池へ蓄電、および水電解装置を使用して水を電気分解してグリーン水素を生成・貯蔵する。太陽光発電設備は163.4kW、燃料電池は2kWの仕様となっている。
災害時は、主に蓄電池と燃料電池を利用し、悪天候や夜間など日射が期待できない条件下においても、指定避難所(学校)へ確実に72時間以上の給電を行う。再エネを核とした低炭素な防災設備として、災害に強い地域づくりを実現する。
この取り組みは、同社が進める水素インフラ設備のEPC(設計・調達・施工)・O&M(運用・保守)・出資事業の第1号案件となっている。
電力供給イメージ 出典:高砂熱学工業プレスリリース
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