AirLoggerは、2.4GHz帯の通信方式でデータ送信する。通信可能な距離は、障害物が無く見通せる状態で30メートル前後。無線通信のために、電波障害などで取得データの欠落を心配する方がいるかもしれないが、その対策も講じられている。
AirLoggerでは、内部にデータ保存用のメモリを備えている。ここに測定データを一時的に保存することで、電波環境が悪く通信の不安定な場合でも取得データの欠損を防ぐ。
配線不要のために、数多くのポイントに複数台を設置できるのも他に無い利点。同時に運用可能なAirLoggerの数は機種によって異なるが、7chの通信機能を持つ「WM2000TB」では最大100台まで。1台のWM2000TBには、7つのセンサーが接続できるので、必要であれば700ものポイントで同時にモニタリングができることになる。
取得したデータの閲覧や管理は、一般的なPCで行う。USB型の受信機をPCに接続し、ソフトウェアをインストールするだけで、データを収集。特段、高性能なPCや機器が無くても、簡単にデータの監視環境が整う。
AirLoggerは、市場に出てから約3年の製品。既に、産業用ロボット、自動車、建設機械、工場の製造ラインなどで利用されている。小型かつ配線が不要な無線式ということで、この他にも採用されるシーンはこれからも増えそうだ。
アドバンテストでは、AirLoggerのデータをインターネット上で活用できるクラウドとして、レンタルで3カ月または6カ月間の利用が可能な「AirLogger Cloud Lite」に加え、「AirLogger Cloud Standard」も2021年11月から提供を開始している。Lite版は本導入前の体験サービスという位置付けで、一方のStandardは、クラウドの標準サービス。
Standardであれば、1台のクラウドサーバに対し、ゲートウェイを標準で10台まで、カスタム対応によりそれ以上の台数にも拡張可能。1台のゲートウェイの通信エリアは、見通し20〜60メートルで、最大20ch分のデータ収集に応じ、10台のゲートウェイを使用した場合は、最大200chのモニタリングが可能となる。
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