メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2022

断線の心配無用で設置場所を選ばない、遠隔モニタリング用無線データロガーメンテナンス・レジリエンス TOKYO 2021(2/2 ページ)

» 2022年05月21日 10時11分 公開
[川本鉄馬BUILT]
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多点の同時データ取得にも対応、内部メモリでデータ保護も安心

 AirLoggerは、2.4GHz帯の通信方式でデータ送信する。通信可能な距離は、障害物が無く見通せる状態で30メートル前後。無線通信のために、電波障害などで取得データの欠落を心配する方がいるかもしれないが、その対策も講じられている。

 AirLoggerでは、内部にデータ保存用のメモリを備えている。ここに測定データを一時的に保存することで、電波環境が悪く通信の不安定な場合でも取得データの欠損を防ぐ。

 配線不要のために、数多くのポイントに複数台を設置できるのも他に無い利点。同時に運用可能なAirLoggerの数は機種によって異なるが、7chの通信機能を持つ「WM2000TB」では最大100台まで。1台のWM2000TBには、7つのセンサーが接続できるので、必要であれば700ものポイントで同時にモニタリングができることになる。

 取得したデータの閲覧や管理は、一般的なPCで行う。USB型の受信機をPCに接続し、ソフトウェアをインストールするだけで、データを収集。特段、高性能なPCや機器が無くても、簡単にデータの監視環境が整う。

PCにUSB型の受信機を装着し、ソフトウェアをインストールすることでAirLoggerのデータ受信が可能になる

 AirLoggerは、市場に出てから約3年の製品。既に、産業用ロボット、自動車、建設機械、工場の製造ラインなどで利用されている。小型かつ配線が不要な無線式ということで、この他にも採用されるシーンはこれからも増えそうだ。

 アドバンテストでは、AirLoggerのデータをインターネット上で活用できるクラウドとして、レンタルで3カ月または6カ月間の利用が可能な「AirLogger Cloud Lite」に加え、「AirLogger Cloud Standard」も2021年11月から提供を開始している。Lite版は本導入前の体験サービスという位置付けで、一方のStandardは、クラウドの標準サービス。

 Standardであれば、1台のクラウドサーバに対し、ゲートウェイを標準で10台まで、カスタム対応によりそれ以上の台数にも拡張可能。1台のゲートウェイの通信エリアは、見通し20〜60メートルで、最大20ch分のデータ収集に応じ、10台のゲートウェイを使用した場合は、最大200chのモニタリングが可能となる。

クラウドを活用して遠隔測量を可能にする遠隔モニタリングシステム「AirLogger Cloud Standard」。さまざまなネットワーク環境に対応(顧客のオンプレミスの自社サーバ、プライベートクラウド、レンタルクラウド)
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