建築物の設備保守や運用管理で、手軽に設備や機器の状態を常時把握したいことは多い。半導体試験装置で大手のアドバンテストが提供する「AirLogger(エアーロガー)」は、多様な遠隔モニタリングに活用できるコンパクトな無線データロガーだ。
アドバンテストは、「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2021」(会期:2021年11月24〜26日、東京ビッグサイト 青海展示棟)で、電池内蔵で手軽に使える無線データロガー「AirLogger(エアーロガー)」を展示した。
AirLoggerには、ひずみ、温度、電圧など、データの種類や取得対象別に各種のセンサーが用意されている。これらの中から必要なものをAirLogger本体に接続すれば、それだけでデータの送信環境が整う。
AirLoggerの特徴は、ユーザーが必要とするデータの監視環境を手軽に構築して運用できる点にある。AirLogger本体そのものは、コンパクトかつ軽量にデザインされている。稼働電力は内蔵の電池で行い、外部電源は不要だ。
また、各種センサーに対応し、ユーザーは目的や用途に合わせて、必要なセンサーをAirLoggerに接続するだけでデータ取得環境が簡単に構築できる。1台のAirLoggerに複数のセンサーを接続することも可能で、センサーは、温度、電圧、湿度、圧力、風速、照度、ひずみ、荷重、加速度などと幅広い。
AirLoggerの種類は、ユーザーの目的に、よりマッチするデータ取得環境を選べるようにするため、接続できるセンサーの種類や数、データを同時取得するポイントなどに応じたラインアップとなっており、展示会場では3種類を出品した。
個々のAirLoggerは、機能の他、サイズも微妙に異なる。しかし、いずれもコンパクトかつ軽量で、内蔵電池によって稼働することに違いはない。
ちなみに、AirLoggerは、必要に応じて外部電源による運用も可能。携帯電話の充電に使うタイプのバッテリーで、3〜4カ月は稼働するという。
内蔵電池による稼働と無線によるデータ送信が行えることは、AirLoggerが設置場所を選ばず、手軽に計測環境を整えられることを意味する。
無線で、機器や装置の状態を監視できるメリットは大きい。これまでは、対象機器にセンサーを取り付け、データを収集する機器まで、配線工事をする必要があった。また、センサー設置後にも、配線が断線していないかを定期的に確認しなければならなかった。
内蔵電池で動き、無線でデータを送れるAirLoggerでは、初期工事の配線を引く手間やコストと、その後の定期的な断線チェックの面倒さも解消され、データロガーの導入のハードルを大きく下げることにつながる。また、密閉空間など、配線の敷設が困難だった場所への導入も容易に実現する。
この他、無線式であれば、作業ロボットのアーム部や回転する機器にも安心してセンサーを装着できる。また、AirLoggerは幅広い温度帯で動作するように設計されている以外にも、専用のアタッチメントを取り付ければ、高い耐熱性能やIP54相当の防水・防塵(ぼうじん)性能を確保できる。
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