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» 2022年05月12日 13時00分 公開

建設現場での電力使用量を集計・分析するシステムの実装を開始、大成建設ICT

大成建設は、建設現場での電力使用量をリアルタイムに集計・分析して、CO2排出量を把握するシステム「T-CARBON E-Site」を開発し、2022年1月に建設現場への実装をスタートした。これにより、土木・建築作業所の詳細な電力需要を調べられ、再生可能エネルギーの活用など最適な電力調達を実現するとともに、顧客のニーズを反映しながら、建設段階でのCO2排出量削減に関する取り組みが行えるようになった。

[BUILT]

 大成建設は、建設事業でカーボンニュートラルを加速させるため、建設現場での電力使用量をリアルタイムに集計・分析して、CO2排出量を把握するシステム「T-CARBON E-Site」を開発し、2022年1月に建設現場への実装を開始したことを同年4月28日に発表した。

電力使用量の多い約60箇所の建設現場に対して実装を開始

 現在、国内の企業では、持続可能な社会の実現を目指すための開発目標であるSDGsや企業価値の評価指標ESGに関する具体的なアクションが重要視されており、カーボンニュートラル分野では、直接関与する事業領域だけでなく、事業の上流と下流の両方向に対して責任ある施策の実施が求められている。

 このような状況により、昨今では顧客からも建設工事中に生じるCO2排出量の把握や削減施策に関する要望も増加している。

 一方、大成建設の事業活動では、建設段階で発生するCO2排出量の「スコープ1+2※1」が顧客の事業に関連するCO2排出量の「スコープ3(上流)」と重なるため、同社が建設現場で推進するCO2削減の取り組みは、同時に顧客が取り組むCO2削減にも直結する。

※1 スコープ1+2:スコープは管理可能な排出源のことを指す。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)。スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出。スコープ3:はスコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。

事業活動におけるサプライチェーンでのCO2排出量の分類とScopeの重なり 出典:大成建設プレスリリース

 そこで、大成建設は、建設現場でカーボンニュートラルの実現を目指す施策の1つとして、2021年9月に開発したAIによるCO2排出量計測・集計システム「T-CARBON Watch」に続き、建設現場での電力使用量の集計・分析システムであるT-CARBON E-Siteを開発し、2022年1月に、順次電力使用量の多い約60箇所の建設現場に対して実装を開始した。

 T-CARBON E-Siteは、建設現場の受電設備等に電力使用量データの転送装置を設置し、電力使用量を「30分値※2」で計測して、専用クラウドにリアルタイムに送信し集計を行う。

※2 30分値:一般的に電力契約において利用される電力量の計量単位。

 具体的には、T-CARBON E-Siteで把握された土木・建築作業所の電力使用量データは、顧客と共有し、顧客の事業活動で建設段階に伴うCO2排出量の把握と新しい建設プロジェクトで生じるCO2発生量の予測が可能となる。

電力使用量集計・分析システム「T-CARBON E-Site」の概要図 出典:大成建設プレスリリース

 さらに、集計された電力使用量データに対し、各建設現場の工事種別や作業工程、作業時間帯などの情報を追加し、CO2排出傾向を分析した結果から、各種作業におけるCO2排出量削減計画の立案が行える。

 加えて、施工期間中の24時間365日にわたる電力需要を調べられるため、建設現場の詳細な電力需要傾向に対応しやすくなり、再生可能エネルギーにより発電された電力の供給や非化石価値取引市場※3における非化石価値の最適な調達を後押しする。

※3 非化石価値取引市場:再生可能エネルギーなどの非化石電源で得られる電気がもつ「非化石価値」を証書化し取引する市場。

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