大林組は、製造時のCO2排出量を最大で80%削減する「クリーンクリート」に、CO2を吸収し固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を混ぜ合わせることで、その比率によってCO2排出量を差し引きゼロからマイナスにできる「クリーンクリートN」を開発した。
大林組は、製造時のCO2排出量を最大で80%削減するクリーンクリートの技術を基に、CO2排出量の実質ゼロ以下(カーボンネガティブ)と廃棄物削減を実現する「クリーンクリートN」を開発したことを2022年4月15日に発表した。
大林組が開発したクリーンクリートは、CO2排出量が少ない高炉スラグ微粉末などにセメントを置き換え、製造時のCO2排出量を最大で80%削減するコンクリートで、プレキャスト製品や現場打設のどちらにも使える。
2010年の開発以降、全国での供給体制確立やJ-クレジット制度活用などの普及を図り、適用実績は建築土木合わせて約90件で、累計の打設量は約34万立方メートルに達し、大林組の推計によれば合計のCO2排出削減量は約6万トン。
加えて、大林組は、クリーンクリートに、CO2を吸収し固定化した炭酸カルシウムを主成分とする粉体を混ぜ合わせることで、その比率によってCO2排出量を差し引きゼロからマイナスにできるクリーンクリートNを開発した。
クリーンクリートNは、プレキャスト製品だけでなくコンクリートプラントでの製造と現場打設に対応し、大林組では鉄筋コンクリートの材料として2022年度中の工事適用を目指している。さらに、混合する粉体は、コンクリート産業から発生するセメント系廃棄物を原料としているため、CO2の排出量削減と同時に廃棄物の削減にも貢献する。
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