新・名古屋競馬場に落雷被害を防ぐ「PDCE避雷針」を7台設置BCP

落雷抑制システムズは、2022年4月8日にオープンした新・名古屋競馬場に、落雷被害を防ぐ「PDCE(ピーディーシーイー)避雷針」を7台設置した発表。屋外施設やアミューズメントパークなどに設置実績があり、従来の避雷針と異なる仕組みで、雷を落ちにくくする。

» 2022年04月13日 08時00分 公開
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 落雷抑制システムズは2022年3月17日、名古屋市港区から愛知県弥富市への移転し、2022年4月8日にオープンした新・名古屋競馬場に、落雷被害を防ぐ「PDCE(ピーディーシーイー)避雷針」を7台設置したと発表した。

新しい名古屋競馬場に設置されたPDCE避雷針 新しい名古屋競馬場に設置されたPDCE避雷針 出典:落雷抑制システムズプレスリリース

 名古屋競馬場は、老朽化と2026年に開催する「アジア競技大会」メイン選手村整備のため、2022年3月11日に73年間の歴史に幕を下ろした。新しい名古屋競馬場は、名古屋所属馬がトレーニングをしていた「弥富トレーニングセンター」を整備して使用する。観客を入れる競馬場に生まれ変わるのを機に落雷対策が必要となり、PDCE避雷針を設置した。

 従来の避雷針は約270年前に発明されたもので、建築物の付帯設備として雷を誘導し、落ちた雷電流を地面に流す仕組みだ。また、近年では気象災害の増加、電子・電気機器の増加、安定稼働の重要性の高まり、雷電流と相いれない電子機器をあらゆる場面で使用しており、停電や機器の破損を防ぐ必要がある。

 これに対し、従来の避雷針は、雷伝流が雨にぬれた地表を流れることがあるため、屋外では人体への悪影響が懸念される。うまく避雷針に落雷してたとしても、雷のパワー(電圧)が大きいので、電流の一部が地表や建物内に侵入し、人体やあらゆる機器に悪影響を与えてしまう場合がある。

 PDCE避雷針は、プラス電荷とマイナス電荷をコントロールし、下から上に発生する「お迎え放電」の発生を抑制することで、雷を落ちにくくする仕組みとし、これらの課題を解決した。

PDCE避雷針の仕組み PDCE避雷針の仕組み 出典:落雷抑制システムズプレスリリース

 PDCE避雷針は、設置条件に合わせて種類があり、富士急ハイランドやさがみ湖リゾートプレジャーフォレストなどの屋外レジャー施設や、横浜総合国際競技場、牛久大仏(茨城県)、大手私鉄(15社中12社で採用)、地球深部探査船「ちきゅう」などの各種施設、屋外イベントでの落雷対策として、計3100台以上の設置実績がある。

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