遠隔地で建設機械の全方位を見渡せるシステムとインフラ設備の情報を集約するクラウドメンテナンス・レジリエンス OSAKA 2021(1/3 ページ)

沖電気工業は、現場や遠隔地で建設機械の全方位を見渡せるリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」やさまざまなセンサーで取得したインフラ設備のデータを集約するクラウド「インフラモニタリングプラットフォーム」を開発した。

» 2021年09月06日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 国内の建設業では、入職者の減少と高齢化の影響で、人手不足や技能者の減少が深刻化している。こういった状況を踏まえて、業界では、生産性と安全性の向上を目的に、インフラメンテナンス用の監視ツールや建設機械の接触事故を防ぐソリューションが求められている。

 上記のニーズに応えるために、沖電気工業(OKI)は、リアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」や可搬型エリア侵入監視システム「Motion Alert」を開発した。さらに、電源と配線不要のインフラモニタリングツール「ゼロエナジーゲートウェイ」と「無線加速度センサー」、さまざまなセンサーで計測した情報を集約するクラウド「インフラモニタリングプラットフォーム」も開発し、インフラの建設や管理などを扱う企業に訴求している。

 OKIは、メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)をテーマに掲げた建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2021」(会期:2021年7月14〜16日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展」で、フライングビューやMotion Alert、ゼロエナジーゲートウェイと無線加速度センサー、インフラモニタリングプラットフォームを披露した。

屋外の過酷な環境下で利用可能

 フライングビューは、本体装置や4台の小型カメラ、モニターディスプレイで構成されるもので、建機や乗用車に取り付けると、車両のさまざまな俯瞰映像をモニターディスプレイで見渡せる。車両の前後左右に搭載した4台の小型カメラで得られた映像は、本体装置で合成し、多様な俯瞰映像をモニターディスプレイに映す仕組みとなっている。

「フライングビュー」の本体装置
「フライングビュー」の小型カメラ

 モニターディスプレイでは、高画質(HD)やデュアル/マルチ・簡易距離表示、プレイバック表示、録画に応じている他、LTEと無線LANに対応し、リアルタイム圧縮映像の伝送も可能なため、遠隔地でもフライングビューの映像を見られる。加えて、防塵防水規格のIP66と車載イミュニティ規格に準拠しているため、屋外の過酷な環境下でも使える。

 OKIの担当者は、「フライングビューは、自律運転車両の周囲監視やリモート操作を効率化を果たす。将来的には、AIエッジコンピューティングのAE2100を利用し、人物と物体の検知を行えるようにする」と話す。

「フライングビュー」で取得した俯瞰映像
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