沖電気工業は、現場や遠隔地で建設機械の全方位を見渡せるリアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」やさまざまなセンサーで取得したインフラ設備のデータを集約するクラウド「インフラモニタリングプラットフォーム」を開発した。
国内の建設業では、入職者の減少と高齢化の影響で、人手不足や技能者の減少が深刻化している。こういった状況を踏まえて、業界では、生産性と安全性の向上を目的に、インフラメンテナンス用の監視ツールや建設機械の接触事故を防ぐソリューションが求められている。
上記のニーズに応えるために、沖電気工業(OKI)は、リアルタイムリモートモニタリングシステム「フライングビュー」や可搬型エリア侵入監視システム「Motion Alert」を開発した。さらに、電源と配線不要のインフラモニタリングツール「ゼロエナジーゲートウェイ」と「無線加速度センサー」、さまざまなセンサーで計測した情報を集約するクラウド「インフラモニタリングプラットフォーム」も開発し、インフラの建設や管理などを扱う企業に訴求している。
OKIは、メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)をテーマに掲げた建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2021」(会期:2021年7月14〜16日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展」で、フライングビューやMotion Alert、ゼロエナジーゲートウェイと無線加速度センサー、インフラモニタリングプラットフォームを披露した。
フライングビューは、本体装置や4台の小型カメラ、モニターディスプレイで構成されるもので、建機や乗用車に取り付けると、車両のさまざまな俯瞰映像をモニターディスプレイで見渡せる。車両の前後左右に搭載した4台の小型カメラで得られた映像は、本体装置で合成し、多様な俯瞰映像をモニターディスプレイに映す仕組みとなっている。
モニターディスプレイでは、高画質(HD)やデュアル/マルチ・簡易距離表示、プレイバック表示、録画に応じている他、LTEと無線LANに対応し、リアルタイム圧縮映像の伝送も可能なため、遠隔地でもフライングビューの映像を見られる。加えて、防塵防水規格のIP66と車載イミュニティ規格に準拠しているため、屋外の過酷な環境下でも使える。
OKIの担当者は、「フライングビューは、自律運転車両の周囲監視やリモート操作を効率化を果たす。将来的には、AIエッジコンピューティングのAE2100を利用し、人物と物体の検知を行えるようにする」と話す。
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