東急建設は、高遮音二重床システム「SQサイレンス50」を採用した第1号案件として、東京都品川区西五反田4丁目で開発を進めていた賃貸共同住宅「サンムラカミ22番館」が竣工したことを2022年3月2日に発表した。
東急建設は、高遮音二重床システム「SQサイレンス50」を採用した第1号案件として、東京都品川区西五反田4丁目で開発を進めていた地上3階建て準耐火木造建築物「サンムラカミ22番館」の施工を2022年2月28日に完了した。
SQサイレンス50は、同社やナイス、淡路技建の3社で共同開発した高遮音二重床システムで、重さのアップと特殊な部材を使用せずに、木造建築最高レベルの床衝撃音遮断性能を確保する他、建物自重の増加を抑えられるため、耐震性の向上や材料費などのコスト軽減も図れる。
具体的には、床板に、スクエア形にプレカットしたパーティクルボードを活用し、防振支持脚の仕様と配置を最適な組み合わせに調節することで、木質系床構造の「高遮音化」と「軽量化」の両立を実現している。これにより、木造建築物で、木の良さである軽量さを生かしつつ、対策が難しい重量床衝撃音に対して、遮音等級「LH-50(試験値)」を達成した。
上記の性能を評価され、2020年11月には「ウッドデザイン賞2020」の「ソーシャルデザイン部門(建築、空間、建材、部材分野)」も受賞している。
また、賃貸共同住宅のサンムラカミ22番館は、建築主である村上不動産が、当該敷地への進入道路が狭いことやRC造などに比べ軽量化でき建設コスト優位性があることを踏まえ、木造を選んだ。一方で、居住者が上下階を気にせずストレスなく過ごせる室内環境を実現可能かを懸念していた。
そこで、東急建設は、SQサイレンス50を提案し、2〜3階の木造床に対して適用するに至った。建物の竣工後には、村上不動産から「木造であってもRC造と遜色ない遮音性を実現することが分かったため、昨今における脱炭素意識の高まりも考慮し、今後は木造という選択肢も前向きに検討していきたい」というコメントが寄せられた。
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