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» 2021年07月21日 07時00分 公開

低周波音をシャットアウトする軽量シート建材を開発、三菱ケミカルメンテナンス・レジリエンス OSAKA 2021

三菱ケミカルは、施工による打撃音やさまざまな装置が設置された機械室で生じやすい低周波音を防ぐ建材「音響メタマテリアル遮音シート TypeA」と「音響メタマテリアル遮音シート TypeB」の開発を進めている。

[遠藤和宏,BUILT]

 集合住宅の専有部などでは、部屋から発生する騒音を抑えるために、ポリウレタンフォームやグラスウールといった吸音材が壁に内蔵されている。しかし、こういった吸音材は、周波数が15kHz(キロヘルツ)から20kHz以上の高周波音を抑制するのには有効だが、周波数が100Hz以下の低周波音を遮れないという問題があった。

 上記の課題を解消するために、三菱ケミカルは、施工による打撃音やさまざまな装置が設置された機械室で生じやすい低周波音を防ぐ建材「音響メタマテリアル遮音シート TypeA」と「音響メタマテリアル遮音シート TypeB」の開発を進めている。

 同社は、メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)をテーマに掲げた建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2021」(会期:2021年7月14〜16日、インテックス大阪)内の「騒音・振動対策展」で両建材の試作品を展示した。

厚さ1ミリで厚さ8ミリの鉄板に相当する低周波音の遮音性

 音響メタマテリアル遮音シート TypeAは、ゴム系のシートに特殊な樹脂製の重りを配置したもので、曲面追従性があり、丸めて運べる。さらに、厚さ1ミリのもので、厚さ8ミリの鉄板に相当する低周波音の遮音性を備え、遮音周波数帯は0.06〜8kHzに調整でき、複数の周波数に対応する。

「音響メタマテリアル遮音シート TypeA」の試作品
「音響メタマテリアル遮音シート TypeA」の遮音特性(左)と遮音効果の一例(右)

 三菱ケミカルの担当者は、「音響メタマテリアル遮音シート TypeAは、マンション専有部のリフォームで発生する打撃音を遮るのに適している。対象となる部屋の床や壁に音響メタマテリアルを設けるだけで、下や隣接するフロアで生活する住民への騒音対策となる」と利用方法を説明した。

「音響メタマテリアル遮音シート TypeB」の試作品を貼り合わせて箱状にした模型

 音響メタマテリアル遮音シート TypeBは、ゴム系のシートに棒状や円状の突起を取り付けたもので、低周波音を発する機械などを囲うように設置するとと防音効果を発揮する。TypeAと同様に、遮音周波数帯はカスタマイズでき、複数の周波数に対応する。

 「TypeBとTypeAの違いは、TypeAは遮音性と制振・防振性を搭載し、TypeBは遮音性のみを有している点だ。両製品ともに、ポリウレタンフォームやグラスウールといった吸音材と併用することで、高周波音と低周波音を抑えられる部屋を構築するのに役立つ」(三菱ケミカルの担当者)。

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