大深度先端位置計測システムで採用した傾斜計は、分解能が0.01度と高精度仕様で、安藤ハザマが地上で行った精度確認試験では、計測誤差を0.1度程度以下(深度40メートルに対して誤差7センチに相当)に抑えられることを確認した。さらに、測定は一定間隔での使用と任意のタイミングにおける利用から選べ、リアルタイムにロッドの姿勢と変位量を調べられる。
また、安藤ハザマが開発した杭・地盤改良施工情報可視化システムに大深度先端位置計測システムを連携させることで、設計座標に対する先端位置の変位量をリアルタイムに可視化する。杭・地盤改良施工情報可視化システムは専用のクラウドを活用し、施工中のロッド先端位置やあらゆる施工情報をリアルタイムにオペレーターと工事関係者が共有することができる。加えて、施工管理基準値を設定し、任意の値を超えた場合には関係者に異常を早期に通知し、施工上のリスクを減らせる。
安藤ハザマは、2021年4〜12月に行われた深層混合処理工による既設盛土の安定化対策工事に大深度先端位置計測システムを初適用した。導入した工事は、改良径がφ1600ミリで、最大改良深度は42.4メートル、改良体本数は約1400本と大規模であるとともに、改良下端部には供用中の水路トンネルが存在するため、所定の離隔を確保した施工が求められた。
そこで、大深度先端位置計測システムによるリアルタイム測定を用いた結果、設計位置に対する施工時における先端位置のずれは最大で40センチ(鉛直傾斜100分の1以下)に収まり、水路トンネルへの影響もなく安全に施工を完了した。
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