建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2022年2月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、2022年度の政府予算案をもとに、国土交通省の公共事業関係予算について分析している。
総合人材サービス会社のヒューマンリソシアが運営する建設人事のお悩みに寄りそうオウンドメディア「建設HR」は2022年2月28日、2022年度政府予算案を一次資料に、国土交通省の公共事業関係予算に関する動向をまとめ、「建設HR マンスリーレポート 2022年2月」として発表した。
2022年度の公共事業関係費は、当初予算に補正予算を加えた合計額は減少したが、防災・減災、老朽化した社会インフラ対策関連は、概算要求額以上の予算規模になるなど、国土強靭化計画の推進は喫緊の重要課題と見なされている。
2022年度予算の基本方針は、「国民の安全・安心の確保」「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」を3本柱にして、2021年度補正予算と合わせて切れ目なく取り組みを進めていくとしている。
防災・減災および老朽化した社会インフラ対策などの国土強靭化計画関連は、3本柱の11つ「国民の安全・安心の確保」に該当。公共工事関係費の合計額が減少しているなかでも、予算概算要求の要求額以上の予算が確保されており、重要課題として捉えられている(図表1)。
気候変動による豪雨の激甚化・頻発化、切迫する巨大地震への備えが急務であることなどを背景に、国土強靭化計画の推進は、喫緊の重要課題として、今後コロナ対策で財政が逼迫(ひっぱく)する中でも、一定の予算規模は引き続き確保されるものと考えられる。一方で、国土交通省の公共事業関係費は、補正予算に頼って必要な予算額を賄(まかな)っている状態が続く。今後の予算を決定するにあたり、財政の逼迫化がさらに厳しくなることが予想され、本当に必要な公共事業かをより細かく精査する動きが高ることが懸念される。
国土交通省関係予算の公共事業関係費の2022年度当初予算は、前年比とほぼ同額の5兆2480億円(前年度比0.04%増)を確保。2014年度以降、公共事業関係費は5兆1700億円以上が維持されており、ほぼ同額となっている(図表2)。
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