茨城県つくば市で延べ4.6万m2の医薬品用物流施設が着工、アルフレッサリテール&ロジスティクス

アルフレッサグループは、2019年に発表した「19-21 中期経営計画 さらなる成長への挑戦 〜健康とともに、地域とともに〜」で、医療用医薬品などの卸売事業に関する重点施策として物流の「高度化」「効率化」「標準化」を掲げた。その一環として、子会社のアルフレッサは茨城県つくば市で物流施設「つくば物流センター」の開発に着手した。

» 2022年03月01日 13時00分 公開
[BUILT]

 アルフレッサホールディングスの子会社であるアルフレッサは、関東エリアにおける医薬品物流の高度化と効率化を図るために、茨城県つくば市で開発を進めていた物流施設「つくば物流センター」が2022年2月に着工したことを同月16日に発表した。

GDPガイドラインに準拠した管理体制を構築

 開発地は、常磐自動車道と首都圏中央連絡自動車道が交差する地点に立地し、茨城県、栃木県、千葉県の全域だけでなく、埼玉県、東京都の一部への医薬品配送に対応する。

 つくば物流センターは、S造地上3階建てで、建物全体に免震構造を採用し、震度6強の地震に直面しても、建物への被害を軽微なレベルに抑えられるようにする他、72時間稼働が可能な大型非常用電源と、給水・排水が遮断された場合に役立つ受水槽設備を配置し、災害時に継続的に医薬品供給できる体制を整える。

「つくば物流センター」の完成イメージ 出典:アルフレッサホールディングスプレスリリース

 さらに、厳格な温度管理などが求められる国交省の指針「GDPガイドライン※1」に準拠した管理体制を構築する。具体的には、倉庫の入出荷口にドックシェルターと二重シャッターを完備し、空調設備のバックアップ機能や防虫・防鼠対策など整備して、GDPガイドラインに準拠した品質管理とする見込みだ。

※1 Good Distribution Practicesガイドライン:2018年12月に厚生労働省が示した、医薬品の流通過程における品質保証を目的にした基本的な指針

 加えて、対面検品を不要とした「パッケージ納品※2」を用いた医薬品配送、「再生医療等製品庫※3」の設置による再生医療製品の流通への対応、特殊管理品の流通管理プラットフォーム「NOVUMN※4」への対処策も強化する。

※2 パッケージ納品::99.999%以上の高い精度で出庫された医薬品を専用のオリコンに梱包し、顧客へ届けるまでオリコン内の医薬品に誰も触れることのない納品システム。納品時の検品時間の削減にも貢献する

※3 再生医療等製品庫:液体窒素を用いたマイナス150度対応の貯蔵タンクやマイナス80度対応の超低温フリーザーに加えて、在庫管理用システムなどの標準化された設備が導入された専用スペース

※4 NOVUMN:微細・微小な温度などの変化によって有効成分が変質してしまう可能性のある特殊医薬品に関して、製品流通の全段階にわたる厳格な温度管理、医薬品のごとのトレーサビリティーの把握、医薬品卸売企業と医療機関における特殊医薬品の適切な在庫管理機能などを実現し、特殊医薬品のサプライチェーン全体の最適化を図ることを目的とする仕組み

 倉庫には、デパレタイズロボットやクロスベルトソーターなどの最新設備を導入し、作業の生産性と出荷精度を高める。

つくば物流センターの概要

 つくば物流センターは、S造地上3階建てで、延べ床面積は4万6921平方メートル。所在地は茨城県つくば市上横場2143で、敷地面積は4万5171平方メートル。建築面積は1万8640平方メートルで、最大2万5000品目の保管に応じる想定だ。稼働開始は2024年5月を予定している。

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