丸の内エリアを対象とした災害時の情報連携プラットフォームの機能を拡張、三菱地所防災(1/2 ページ)

三菱地所は、公共交通機関のTwitter情報と自動連携し、災害対策機関での情報共有と帰宅困難者向けの情報発信を行うプラットフォーム「災害ダッシュボードBeta」を開発した。今後は、千代田区とともに、防災対策や首都直下地震に対するスマートシティーの機能として、2022年度中に災害ダッシュボードBetaを丸の内エリアに実装していく見込みだ。

» 2022年02月25日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

 三菱地所は、丸の内エリアにおける防災の取り組みとして、災害対策機関での情報共有と帰宅困難者向けの情報発信を行うプラットフォーム「災害ダッシュボード4.0」の機能を精査し強化した「災害ダッシュボードBeta」の実証実験を2021年11月〜2022年2月上旬に実施した。

 2022年2月15日には、東京都千代田区丸の内のオフィスビル「丸の内ビルディング」で、災害ダッシュボードBetaの記者説明会と実証実験を行った。会場では、三菱地所 都市計画企画部 統括 澤部光太郎氏が災害ダッシュボードBetaの機能を説明した後、実証実験を披露した。

公共交通機関のTwitter情報を自動連携

 災害ダッシュボード4.0は、帰宅困難者受け入れ施設における仮救護所の状況や周辺の駅と道路のライブ映像情報を集約し、得られた映像を行政・民間の各災害対策機関でモニタリングすることで、人員の配置と物資の移動を最適化するプラットフォーム。

「災害ダッシュボード4.0」の専用ダッシュボードのイメージ 提供:三菱地所

 周囲のビル事業者やインフラ業者にも取得した情報を共有し、各社の災害時自助活動の最大化と相互連携を図る他、帰宅困難者受け入れ施設の満空情報や公共交通機関のTwitterと気象のデータ、Webサイトのリンクを専用サイトと丸の内エリア内のデジタルサイネージに専用のダッシュボードを介して配信し、帰宅困難者に提供する。

 機能を拡張した災害ダッシュボードBetaは、上記の機能だけでなく、公共交通機関のTwitterで配信されたデータの専用ダッシュボードへの自動連携やエリア巡回バスによる災害時負傷者搬送機能、丸の内ビルディング内に設置されたデジタルサイネージ「丸の内ビジョン」の遠隔操作機能も備えている。

「災害ダッシュボードBeta」の専用ダッシュボード
三菱地所 都市計画企画部 統括 澤部光太郎氏

 三菱地所の澤部氏は、「これまでの災害ダッシュボードでは、被災時に公共交通機関のTwitterで配信された情報を手作業で専用ダッシュボードに入力し、専用Webサイトと丸の内ビジョンに配信していたが、手間がかかっていた。解決策として、災害ダッシュボードBetaでは、被災時に公共交通機関のTwitterで配信されたデータを専用ダッシュボードに自動で表示するため、迅速な情報提供を実現している。なお、各公共交通機関のTwitter情報のうち、最新の1つのみを表示する」と語った。

各公共交通機関のTwitter情報の自動連携イメージ 提供:三菱地所

 続けて、「エリア巡回バスによる災害時負傷者搬送機能は、三菱地所、千代田区、日の丸自動車興業、JR東日本の4社が2022年1月20日に締結した“大手町・丸の内・有楽町地区都市再生安全確保計画に基づく災害時のバス車両による緊急輸送協力にかかわる協定書”を活用したものだ。具体的には、丸の内エリア内で運行している日の丸自動車興業の巡回バス“丸の内シャトル”に千代田区や三菱地所、JR東日本が災害時に協力要請でき、そのバスに負傷者や配慮者、災害対策の職員、医療従事者、物資、資機材の運搬を行わせられる」と話す。

日の丸自動車興業の巡回バス「丸の内シャトル」運行ルート図 提供:三菱地所

 丸の内ビジョンの遠隔操作機能は、スマートフォンの専用アプリで、丸の内ビルディングに配置されたリモートスイッチの試作機を操縦し、連携する建物内の放送設備を操り、館内に取り付けられたデジタルサイネージの通常放送を緊急放送に切り替えられる。

 「従来の災害ダッシュボードでは、建物内の放送設備を手動で操作しなければ、館内のデジタルサイネージにおける通常放送を緊急放送に変えられなかったため、週末や祝日といった休日の対応が難しかった」(澤部氏)。

丸の内ビジョンの遠隔操作機能のイメージ 提供:三菱地所
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