本連載では、経営コンサルタント業界のパイオニア・タナベ経営が開催している建設業向け研究会「建設ソリューション成長戦略研究会」を担う建設専門コンサルタントが、業界が抱える諸問題の突破口となる経営戦略や社内改革などについて、各回テーマを設定してリレー形式で解説していく。第5回は、2024年に建設業でも適用される時間外労働の規制に対して、いかに対処していくべきか、現場とバックオフィスが協力し、会社一体で「働き方改革」「生産性改革」に取り組んだ事例から、解決策を提言する。
2019年4月1日に施行された「働き方改革関連法」。建設業でも5年間の猶予を経て、2024年4月からは時間外労働の上限が罰則付きで規定される。いままで事実上“青天井”だった建設業の時間外労働が、初めて法的に規制されることになる。そのため、先を見据えた働き方改革への対応が、現在の建設業界では緊喫の課題となっている。
※10日以上有給休暇が付与されている人には、時期を指定して実施が必要
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本連載では、経営コンサルタント業界のパイオニア・タナベ経営が開催している建設業向け研究会「建設ソリューション成長戦略研究会」を担う建設専門コンサルタントが、業界が抱える諸問題の突破口となる経営戦略や社内改革などについて、各回テーマを設定してリレー形式で解説していく。
しかしながら、国内の建設投資額が増加するなかで、工事現場の人材不足は解消されず、多くの建設関連企業は以下のような共通の悩みを抱えている。
とくに、現場を預かる責任者(現場代理人)に掛かる負担は増しており、まさに「働き方改革待ったなし」の状況である。筆者はこれまでに、上記の悩みを抱えている建設会社で、「建設現場の働き方改革プロジェクト」を推進してきた。今回は、現場とバックオフィスが協力し、会社一体となって成し遂げていかなければならない「働き方改革」「生産性改革」の成功事例を紹介する。
筆者は、具体的には以下の課題に直面している建設会社とともに、業務改善に向けて取り組んできた。
課題に対して、第1段階では、現場実態調査で現場の働き方の問題点や課題整理、改善の方向性を策定した。主要項目は以下の通りである。
第2段階では、働き方改革プロジェクトを立ち上げ、業務効率化に向けた具体策や役割分担、アクションプランを策定して推進した。その主な流れは、以下の通り。
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