DICは、壁や柱などに貼るだけで取り付けられ、温湿度・照度センサーとして機能する無線センサー「ハッテトッテ(屋内用)」と屋外で使える「ハッテトッテ 防水型」を開発した。さらに、現在、「ハッテトッテ CO2センサー」「ハッテトッテ 距離センサー」「ハッテトッテ ビーコン発信機能」の開発を進めている。
国内の建設現場、商業施設、オフィスビル、介護施設、工場では、温湿度センサーと照度センサーを用いて、温度、湿度、照度を計測し、得られた数値を、エアコンの制御や熱中症危険度の算出、使用している照明のモニタリングなどで活用している。しかし、市販されている温湿度センサーと照度センサーの中には、配線を要し移設が難しいセンサーがある他、建設現場向けのセンサーでは台座とワイヤでの固定が求められる場合があり、手間がかかっていた。
そこで、DICは、壁や柱などに貼るだけで取り付けられ、温湿度・照度センサーとして機能する無線センサー「ハッテトッテ(屋内用)」を開発し、2021年1月29日に受注を開始した。2021年6月14日には、屋外や浴室で使える「ハッテトッテ 防水型」を発売している。
同社は、住宅、ビル、公共施設、商業施設など、あらゆる建築物を対象とした建築総合展「第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2021年12月6〜8日、東京ビッグサイト)内の「第6回 スマートビルディング EXPO」に出展し、ハッテトッテや開発中の「ハッテトッテ CO2センサー」「ハッテトッテ 距離センサー」「ハッテトッテ ビーコン発信機能」を披露した。
ハッテトッテは、温度、湿度、照度をセンシングするセンサーで、Lora無線通信を用いて、低消費電力で長距離通信を実現する。具体的には、屋内では数百メートルで、屋外では数キロの長距離通信が可能。
DICの担当者は、「ハッテトッテの筐体は、厚さが約5.8ミリと薄く約38グラムと軽量で柔らかく湾曲した部分にも貼り付けられ、難燃性で燃えにくい。回路基板にも柔らかい材料を使用しており、落下しても人に危害を与えにくく、踏みつけても破片が飛び散ることはない」と話す。
続けて、「ハッテトッテの接着面には、引っ張ってキレイに剥がせる(両面)粘着テープ“DSA800”を採用しており、工事不要で設置でき移設しやすく、剥がすだけで取り外せる。内蔵電池の持続時間は、5分間隔での通信で使用した場合に、約5年間となっている」とコメントした。
加えて、Blootooth通信を用いて、OSがWindowsのPCで設定値の読み取りと変更に応じ、読み取った設定値をCSV形式のリストとして出力し、さまざまなシステムに取り込んで使える。
さらに、ハッテトッテ、専用のゲートウェイ、ローカルサーバあるいはクラウドを用いて「環境見守りシステム」を構築する。環境見守りシステムでは、システム上のフロアマップでセンサー配置位置の管理やアラート通知による異常検出、WebAPIによる外部システムとの連携が行え、ローカルサーバを使用すれば、再送要求制御によるデータ欠落の削減とセンサー独自の消費電力低減制御が可能。
「ハッテトッテの生産はDICが担当し、環境見守りシステムの構築はベンダーのSohwa&Sophia Technologiesが担っている」(DICの担当者)。
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