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» 2022年01月26日 07時00分 公開

日本工営が英国で大規模蓄電施設の開発に着手、日系企業の4社と連携産業動向

日本工営は、英国が2017年に系統用蓄電池を導入した時から事業投資を開始し、これまでに事業開発、制御システム納入、EPC、工事監理などの実績を積んできた経験を生かし、日系企業の4社と連携して、完全子会社のNippon Koei Energy Europeを通じ、英国の南東部に位置するトールゲートとカックストンのそれぞれで、49.5メガワットの系統用蓄電池事業をスタートする。今回のプロジェクトはベルギーで建設を進めている25MW・100MWhの系統用蓄電事業(Ruien Energy Storage)に続いて実施するもの。

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 日本工営は、オランダ・ロッテルダムに本社を構える完全子会社のNippon Koei Energy Europe(以下、NKEE)を通じて、英国の南東部に位置するトールゲートとカックストンのそれぞれで、49.5メガワット(MW)の系統用蓄電池事業を開始することを2021年12月21日に発表した。

2023年春頃に商用運転を開始

 英国は、2020年の時点で、発電量に占める再生可能エネルギーのシェアが40%を超えており、カーボンニュートラル実現へ向け、蓄電池活用政策を続々と打ち出している欧州一の蓄電池先進国とされている。現在、合計約1.3ギガワット(GW)の系統用蓄電池が運用されているが、柔軟な電力網サポートのために2035年までに13GWから30GWの蓄電池が必要とみられている。

 そこで、日本工営は、トールゲートとカックストンで、系統用蓄電池事業をスタートする。

 今回のプロジェクトでは、2020年に、NKEEと英国に本社を持つRNAが設立した「RNK UK Investments(以下、RNKUKI)の傘下に事業目的会社の「Tollgate Energy Storage」と「Cuxton Energy Storage」の2社を設立し、合計100MW相当の蓄電池事業を行う。

今回のプロジェクトのサイトロケーション 出典:日本工営プレスリリース

 さらに、日本工営だけでなく、芙蓉総合リース、テス・エンジニアリング、東京センチュリー、東芝三菱電機産業システムが共同事業者として参画する。日系企業の出資とプロジェクトファイナンスで大規模蓄電池事業を実施するのは英国でも初の事業スキームになるという。

共同出資者5社による事業開始式、左から、東芝三菱電機産業システム、芙蓉総合リース、日本工営、テスホールディングス、東京センチュリーの担当者 出典:日本工営プレスリリース

 建設と運営面では、東芝三菱電機産業システム製の蓄電システム、日本工営製の制御システム「NK-EMS」を用いて蓄電池制御を行い、英国の系統運用会社であるNational Grid Electricity System Operator(NGESO)を中心に、英国の多様な電力市場にアクセスし、系統の安定化サービス(アンシラリーサービス)などを提供する。

今回のプロジェクトのイメージ(アグリゲーターを通して、さまざまな市場にサービスを提供) 出典:日本工営プレスリリース

 加えて、電力市場へのアクセスは、アグリゲーターとしてベルギーに本社を構えるYUSO B.V.が担い、NKEEは開発、計画、EPC(設、調達、建設)、運営を事業主体としてワンストップサービスの提供を担当する。なお、トールゲートとカックストンの蓄電施設は、2021年12月に着工し、2023年春頃の商用運転開始を目指している。

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