第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展− 特集

ビルメンテナンスのニーズに合わせたセンサーの提供を実現、オムロン第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(2/3 ページ)

» 2022年01月24日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]

エレベーターのケーブルで発生するサビや変色の発生を発見するのにも貢献

 カラーセンサーは、対象物にかざすことで三原色を読み取り色を判断するセンサーモジュールを搭載したもの。オムロンの担当者は、「カラーセンサーの活用事例に関して一例を挙げると、油圧機器に使用しているオイルのセンシングによる劣化の可視化がある。具体的には、油圧機器のオイルは新品の状態だと黄色だが、利用回数が増えるにつれ、酸化し黒くなるため、あらかじめ、オイルを継続的に検知するカラーセンサーに黒色を検出した際にアラートを発信するように設定することで、最適なタイミングでのオイル交換が可能となり、油圧機器の長寿命化を実現する」と語った。

紙に印刷された色をカラーセンサーで読み取り、接続されたタブレットに表示するデモンストレーション

 さらに、エレベーターのケーブルやエスカレーターのワイヤといった設備をカラーセンサーで定点観測することで、サビや変色の発生を発見するのにも役立つ。会場では、紙に印刷されたさまざまな色をカラーセンサーで読み取り、接続されたタブレットに表示するデモンストレーションが行われた。

 地震マルチセンサーは、加速度センサーや温湿度センサー、照度センサー、気圧センサー、音圧センサーのモジュールを備え、建物に取り付けることで、地震時に対象施設の震度を見える化する。加えて、コンセントボックスに入る規格で、電源は有線で供給し、建物に装着する際には、1つのフロアにつき3台以上設置すると、正確な震度を算出しやすくなる。

「地震マルチセンサー」

 「ビルメンテナンス会社は、地震マルチセンサーを搭載した複数の建物で生じた震度が分かるため、震度に基づきメンテンスを行う建物の順番を決められる。また、室内の温度、湿度、照度、気圧、音圧のデータも取得するため、計測した温湿度をベースにエアコンの制御支援や熱中症など生活空間のリスクを監視するのにも役立つ」(オムロンの担当者)。

 会場では、地震マルチセンサーでリアルタイムに取得している場内の温度、湿度、照度、気圧、音圧のデータをセンサーにつなげたタブレットに表示する実演も行われた。

地震マルチセンサーで取得した温度、湿度、照度、気圧、音圧のデータをタブレットに表示

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