三井住友建設は、橋梁(きょうりょう)の大規模更新事業における床版取替工事で、合成桁橋での鋼桁あるいは大型クレーンを配置する橋端部の補強を不要とした施工方法として、「架設機を用いた床版取替工法」を開発し、「中国自動車道(特定更新など)蓼野(たでの)第二橋他3橋床版取替工事」に適用した。今後は、今回の施工実績を基に改良を重ね適用範囲拡大により現場での展開を図る。
三井住友建設は、橋梁(きょうりょう)の大規模更新事業における床版取替工事で、合成桁橋での鋼桁あるいは大型クレーンを配置する橋端部の補強を不要とした施工方法として、「架設機を用いた床版取替工法」を開発したことを2021年12月22日に発表した。
通常、合成桁橋の床版取替では、大型クレーンを橋端部(片側あるいは両側)に配置して作業を行う。しかし、大型クレーンを配置する橋端部が交差道路や河川といった直上で、ボックスカルバートなどの構造物が大型クレーンの重量に耐えられない場合は、鋼桁を強化して橋面上に大型クレーンを配置するか、橋端部の構造物を補強する必要があった。
そこで、三井住友建設は架設機を用いた床版取替工法を開発した。新工法で使用する架設機は、架設桁と橋の両端部に設置した支持材で構成される。
さらに、架設桁は支持材の上部に設けられた横行レールで移動し、架設桁に設置した床版吊り装置を作業場所まで移動させて床版の撤去と架設を行う。この方法により架設機の重量が鋼桁にかかわらず、架設機の支持材を設置する位置を橋端部の強度が高い場所とすることで、鋼桁や橋端部の構造物の補強が不要となる。
既に、三井住友建設では、島根県で施工を進める「中国自動車道(特定更新など)蓼野(たでの)第二橋他3橋床版取替工事」のうち、蓼野第四橋下り線における一部の鋼単純合成桁橋床版取替で初適用している。
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