ルクレは、鉄筋コンクリート工事用の電子小黒板を自動作成するAI技術「電子小黒板生成装置および電子小黒板生成方法」で特許を取得した。同技術を「e-Kokuban」として施工管理クラウド「蔵衛門」に搭載し、配筋検査用写真の準備時間を削減するという。
ルクレは、鉄筋コンクリート工事用の電子小黒板を自動作成するAI技術「電子小黒板生成装置および電子小黒板生成方法」で特許を取得した。
同技術を「e-Kokuban」として施工管理クラウド「蔵衛門」に搭載することで、配筋検査用写真の準備時間を、同社調べ約95%削減するという。2022年春の実用化に向けて準備中だ。
建設現場における工事写真撮影は小規模の現場でも枚数が多く、これまでは配筋リストから黒板への図の転記や、撮影項目の入力などの煩雑な作業が必要だった。これらの作業では図面を読まなければならず、記入漏れなども発生していた。今回のAI技術により、入力作業時間の実質ゼロの実現、記入漏れなどの課題も解決し、経験によらず工事写真撮影ができるという。
同技術を搭載したe-Kokubanは特別な設定は不要で、PCや蔵衛門Pad DXがあれば導入可能だ。PDF化された配筋リストから必要な豆図、テキスト項目をAIが自動で判断し、電子小黒板を作成する。
配筋リストの様式は設計会社ごとに微妙に異なるため、前処理としてOpen CVなどの画像解析系のフレームワークを活用して読み込んだ配筋リストのPDFを画像化し、ディープラーニングの入力層に適した処理を行う。その後はニューラルネットワークの入力層に投げ込み、畳み込みニューラルネットワークの畳み込み層や分類層に対し、蔵衛門オリジナルのチューニングを複雑かつ適正に施す。この部分で電子小黒板として分類を完了させるディープラーニング処理を実行する。これにより、自動で電子小黒板を作成することに成功した。今後も多くの配筋リストから学習し、e-Kokubanの精度をさらに高めていく。
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