FLAT ARENAは、氷上以外のスポーツやイベントにも利用されているため、照明設備もあらかじめ多様なシチュエーションでの使用を想定している。
例えばLED照明であれば、完全に消灯した状態からもスピーディに100%の点灯状態にできる。水銀灯では10〜15分もかかっていた再点灯が、LED照明では1秒ほどで済む。そのレスポンスの良さを活用した、スピード感ある光の演出が可能になる。
今回のFLAT ARENAに採り上げられたLED照明は、DMX制御に対応している。DMXは照明機器を制御するプロトコルの統一規格で、これに対応した機器であればメーカーを限定せずに、共通の照明コントローラーが使える。また、演出用のムービングライトやスモークマシンといった舞台装置との連携も可能になる。
アリーナの常設照明がDMXに対応していることで、常設照明を空間演出にも活用できる。また、従来の照明では点灯か消灯かしか選べなかったが、DMX対応のLED照明は、調光卓からの操作によって0〜100%の間で自由に光量を設定することが可能になる。この他、競技別、用途別に最適な照明をスピーディに提供できるなど、DMXのメリットは大きい。
パナソニックの北本氏は、FLAT ARENA向けに開発した光源や運用ソリューションは、他の施設にも適用可能だと話す。このようにテクノロジーの横展開が容易になれば、今後は多様な用途に使える劇場型のスポーツ施設が増えるかもしれない。
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