リアルネットワークスが提供しているAI顔認証「SAFR」が、建設現場の入退場管理システム「FACEma」に採用された。FACEmaは、国土交通省が推進している就業履歴をデータベース化する「建設キャリアアップシステム」とも連携しており、顔認証技術が採り入れられたことで、専用カード無しで現場作業員の入退場データが一元管理できるようになる。
リアルネットワークスとキッズウェイ、ネクストウェアは、AI顔認証ソフトウェア「SAFR(セイファー)」を用いた建設現場での出退勤や作業員の健康を管理する顔認証システム「FACEma(フェイスマ)」の提供を2021年11月25日に開始した。
FACEmaは、高い認証率で個人を識別する顔認証システムで、あらかじめキッズウェイのクラウドに登録した顔情報をもとに、現場に設置した専用タブレットのカメラに顔をかざすだけで個人を認識。マスクやヘルメットを着用したままでも個人を識別し、将来国内の現場でも増加が予想される外国人労働者の肌の色による認識の隔たりがないなど、高精度の認証精度がウリとなっている。
端末で読み取った情報はクラウド上に保存され、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」や「グリーンサイト」とダイレクト連携しているキッズウェイの「KW通門管理システム」を介し、技能者の専用カード無しで入退場履歴を残せる。クラウドで一元管理するため、同じ元請け先であれば、再登録が不要で、別現場でも入退場などの情報を保管できるのが利点。現場管理者が日々の入退管理を行う際は、Webベースの顔認証入館管理システムで一覧表示して把握することが可能で、入退状況のデータはCSV出力に対応している。
また、サーマルカメラ内蔵のモデルでは、体表温も計測し、就業履歴情報と併せて記録。非接触で日々の出退勤の管理、体表温記録ができるため、出退勤管理の効率化など、建設現場での働き方改革の促進が見込まれる。
ラインアップは、サーマルカメラ搭載の自立スタンド式「KRS-IP21」、顔認証に特化した卓上タイプ「KRN-IP01」、壁掛けタイプ「KRN-IP11」の3種で、現場環境に合わせて選べる。FACEmaの提供方法は端末レンタルで、通信費などの諸費用も含めた月額料金が設定されている。
キッズウェイ 経営執行役社長 伴覚守氏は、「コロナ禍で、日常的な検温は必要不可欠。不特定多数の労働者が出入りする建設現場でもその必要性は変わらない。今回、開発したシステムはAI顔認証にSAFRを採用したことで、認証速度が速く、精度も高いことが最大の特徴となっている。いつ誰が出退勤をしたかを正確に把握しつつ、体表温も計測して記録ができるため、建設現場のニュースタンダードになるサービスになると自負している」とコメントし、次の展開では顔認証システムを活用して「オフィスの電子錠」「ビルのゲート」など、次のソリューション開発に取り組むとしている。
リアルネットワークス アジア太平洋地区 副社長 高村徳明氏は、「国土交通省が推奨する建設キャリアアップシステムと連携することで、全国の建設現場で非接触による労働者の勤怠記録が行える。精度の高い顔認証を評価いただき、キッズウェイが提供する顔の表面温度測定で発熱の有無を確認し、本人情報と紐(ひも)づけ出退勤・健康管理を同時に行うことで、建設現場の事務処理コスト削減につなげていく」と期待を寄せる。
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