日本キャタピラーは、「第3回 建設・測量生産性向上展」で、現場をより安全に、そしてより生産性を向上させることを掲げ、マシンを含めた最新のICT施工に対応する製品群を展示した。ブースでは、日本初公開となる長距離での遠隔操作を可能とするオペレーターステーションの実演も行った。
キャタピラーの建設機械を取り扱う国内ディーラーの日本キャタピラーが「第3回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」(会期:2021年5月12〜14日、幕張メッセ)でアピールしたのは、最新のテクノロジーを活用した建設機械の自動・自律運転に関するソリューションだ。とくに、遠く離れた現場と事務所をつないで、オペレーターがモニターを見ながら専用コクピットに座って操縦する「Cat コマンドステーション」は、米国にある重機を会場から操作する体験デモで訴求した。
今回の展示で注目を集めたソリューションの1つが、2022年に提供を開始するCat コマンドステーション。キャタピラーは既に建機を遠隔操作する技術を持ち、日本の現場にも投入している。遠隔操作は現状では、目視が可能な範囲で使うものだが、危険な場所での作業リスクからオペレーターを守る新たな手法として重宝されている。
その点、Cat コマンドステーションは、遠隔操作の技術を一歩進めたものだ。遠く離れた場所にある建機をインターネット回線などで接続し、オペレーターは事務所から複数モニターを見ながら遠隔で建機を操る。これによって、現場作業リスクの他、オペレーターが現地に赴く負担を回避できる。また、1人のオペレーターが複数の重機を切り替えて操作することも可能で、人手不足が深刻化する建設現場の業務効率化にも役立つ。
展示会場では、Cat コマンドステーションのコックピットを設置し、来場者が実際にコントロールできる体験型のデモスペースを用意。操作するのは、米国アリゾナ州のデモセンターに配置した次世代型の油圧ショベル“320”だ。
Cat コマンドステーションでは、インターネットを介してオペレーターが操作するコックピットと現地の重機を接続する。この際の通信には、セキュティーに考慮してVPNを使う。遠隔での操作だが、レスポンスに遅延はなく、重機に乗っている感覚で作業が行えるという。
また、Cat コマンドステーションでは、簡単な操作で精度の高い施工ができるマシンコントロールを利用することが可能だ。建機の動きを自動制御するマシンコントロールでは、現地で目視による確認をしなくても、手動では難しい作業が自動で行える。
この他、アーム部の旋回幅を制限するなど、安全にも考慮している。Cat コマンドステーション自体は、モニターを見ながらの遠隔操作システムだが、こうした機能によって安全かつ効率的な作業ができるように設計されている。
Cat コマンドステーションは、既に北米、ヨーロッパ、オーストラリアなどで導入が進んでおり、ユーザーが徐々に増えつつある。
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