大成建設と日特建設は共同で、機械撹拌(かくはん)式地盤改良工法「WinBLADE工法」で用いる撹拌翼を汎用地盤改良機に装着した新たな工法を開発した。障害物の回避が必要な場合でも、汎用地盤改良機による施工で効率化が図れ、コストも削減できる。
大成建設と日特建設は共同で、機械撹拌(かくはん)式地盤改良工法「WinBLADE工法」で用いる撹拌翼を汎用地盤改良機に装着した新たな工法を開発した。障害物の回避が必要な場合でも汎用地盤改良機による施工で、効率化が図れるという。
また、障害物を回避する際の従来工法である高圧噴射撹拌工法に対し、1台の地盤改良機で施工でき付帯設備も1種類で済むため、約10%のコスト削減を実現できるとしている。
現在、社会インフラの老朽化対応として、既存構造物の改修などに伴う適切な地盤補強工法が求められている。これまで、表層舗装や配管類などの障害物のない施工部には固定式撹拌翼による機械撹拌式工法、障害物の回避が必要な施工部には高圧噴射撹拌工法を使い分けきた。そのため、障害物の有無により専用施工機械がそれぞれ必要となり、施工手間が生じ、コストの増加につながるなどの課題があった。
そこで、独自開発したWinBLADE工法で用いる小型の地中拡翼型撹拌翼を汎用地盤改良機に装着することで、WinBLADE工法と同等の機能を汎用地盤改良機に付加する新たな工法を開発した。
今回、汎用地盤改良機の回転機構や着脱機構、制御システムなどを改良することで、WinBLADE工法の地中拡翼型撹拌翼の装着を実現。装着した撹拌翼を固定式と拡翼式に切り替えることで、障害物の有無にかかわらず、1台の汎用地盤改良機で施工できる。
汎用地盤改良機による改良体造成は鉛直方向に限定される。実験では、施工治具の着脱回数低減などにより約半分の施工時間で済み、効率化を実現した。
今後、障害物の回避施工が必要となる臨海部埋立地に立地する産業施設など、既存社会インフラの液状化対策に伴う地盤改良工事において、同工法を展開していく。
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