郡内西部の嬬恋村の嬬恋中学校は、2012年に嬬恋村の東中学校と西中学校が合併して生まれた新しい中学校。校舎自体は、1995年に完成した西中学校の建物をそのまま活用している。リニューアル工事では、校舎内と体育館の照明をLED化し、以前から設置していた太陽光パネルを更新して31.6kWの太陽光発電システムとした他、33.6kWhの蓄電池や約900基のLED照明、EMSを追加した。
導入効果として、年間の電力使用量削減目標は約12万kWhから約5万kWh、年間のエネルギーコスト削減目標は約390万円から約280万円、年間のCO2排出削減目標は約40トンの減少となる見通しだ。
嬬恋中学校は、台風19号に被災した際にも避難所として使われたが、当時は停電が発生し、非常用の電源設備が無かったために苦労を強いられたという。しかし、蓄電池が設置された現在では、その心配は無用となった。
昨今、避難所で重要となるのは、情報収集ツールとなるスマートフォンを充電するための電源だ。避難時でもスマートフォンが使えれば家族に連絡ができるし、最新の情報を得られる。
照明用などに用意されることが多いエンジン式の発電機では、出力が安定せずにスマートフォンの充電に使えないことがあるという。これを踏まえ、嬬恋中学校にはスマートフォンやPCなどの充電に使える非常用コンセントが、各階と職員室に装備された。これは、当初の計画には無かったものという。この非常用コンセントは、スマートフォン60台を同時に充電できる能力(150W)がある。
嬬恋中学校での設備リニューアルは、照明に重点を置き、劣化していた約900基をLED化したことで、先生や生徒には好評を得ている。
とくに、それまで水銀灯照明が使われていた体育館では、文化祭などのイベントで照明演出がより効果的に行えるようになった。水銀灯は、電源を入れてもすぐには明るくならないが、LEDはON/OFFが自由自在で、調光タイプのため、明るさの調整も簡単。嬬恋中学校の場合は、舞台側と入り口側で別々にスイッチのON/OFFを切り替えられる。
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