その点、ライトニングフローであれば、パナソニック ライフソリューションズ社が独自開発した高速相互反射計算システムを搭載し、Autodesk製Revitに対応しているため、BIMモデルで配置した照明の効果を瞬時に書き出して確認できる。シミュレーション上で行った調整などは、ボタン1つでRevitに反映。Revitとライトニングフローが互いにデータ連携していることで、設備設計と照明設計のシームレス化が実現する。
シミュレーションでは、3次元モデルの空間に、照明器具や太陽光の照度や輝度、各面への反射などをリアルタイムに計算するエンジンでレンダリングして、照明や太陽光の光を再現。計算精度は、照度計算ソフトウェアの計算精度を評価するCIE(国際照明委員会)の基準「CIE171:2006」に準拠している。
「他社ツールはイメージを確認するだけの機能しかないことが多いが、ライトニングフローはどのぐらいの照度の範囲が必要なのかを数値化して、ビジュアルで見える化もする。CIEの評価基準は、特定の空間に対して特定の照明を配置し、照度計算ソフトで算出した照度はどの程度のルクスであるべきかの基準値をテストケースごとに設けている。つまり、CIEに準じていることは、シミュレーション時の照度がいかに精度が高いかの裏付けでもある」(高島氏)。
光学データの精度だけを追求したシミュレーションソフトは他にも存在はするが、計算負荷が高く処理に相応の時間を要してしまう。ライトニングフローはリアルタイムでの演算処理にこだわり、設計者の作業効率に重きを置いているのが他との差別化になっている。
また、ライトニングフローでは質感(マテリアル)編集やFBX形式のオブジェクト読み込みも可能で、プレゼンテーション機能として、BIMモデル内を歩き回れるウォークスルー、mp4形式でのアニメーション動画への出力といった機能も実装。関係者間での合意形成や施主へのプレゼンテーションで有効なツールとなり得る。
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