Graebertは、DWG互換CADクラウドサービス「ARESシリーズ(旧:JDraf)」のうち、PCでDWG互換CADと3Dモデルの作成や編集が行える「ARES Commander」の新バージョン「ARES Commander 2022」を2021年4月1日にリリースした。
近年、建設会社では、BIMソフトを使用する機会が増えたことに伴い、作成したBIMモデルを共有可能なCADソフトが求められている。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、さまざまな環境で図面の編集や共有に応じるCADソフトのニーズが高まっている。
こういった需要を踏まえて、ドイツに本社を構えるGraebertは、PCでDWG互換CADと3Dモデルの作成や編集が行える「ARES Commander(アレス コマンダー)」の新バージョン「ARES Commander 2022」を開発した。2021年5月28日には、オンラインで、「ARES 2022 発表会」を開催し、ARES Commander 2022を披露した。
会場では、ARES Commander2022の新機能について、Graebertの日本法人であるGraebert Japan マネージングディレクター 江端陽二氏とシニア サポートマネジャー 中川和久氏が紹介した。
ARES Commander2022の新機能は、「BIM図面機能」「CAD機能」「共同作業機能」でカテゴライズされる。
BIM図面機能では、BIMプロジェクトから生成された2D図面のドアや壁といったオブジェクト用のテンプレートを事前に設定することで、BIMプロジェクトの2D図面化を自動化する「マテリアルマッパー」を実装した。マテリアルマッパーは、オブジェクト向けに特定のカラー、ハッチング、グラフィックスタイルを割り当てたテンプレートを構築すると、テンプレートをベースに、BIMを自動で2D図面化する。
加えて、ドア、窓、階段などのBIMプロジェクトから作成されたCADオブジェクトに対し、ラベルの作成ができるようになった他、壁やBIMオブジェクトを選択して並行寸法を作れるようになった。
ラベルと並行寸法は、参照したBIMモデルが更新された際は、コマンド「BIMナビゲーター」の「BIMファイルタブ」をクリックし、アップデートされたBIMモデルの読み込み先を選び、あらかじめインポートしたBIMモデルを自動更新して、対象図面でコマンド「リフレッシュボタン」をクリックすれば、寸法やラベルが自動でアップデートされる。
Graebert Japanの中川氏は、「これまでのARES Commanderでは、ラベルや並行寸法が変わったBIMモデルの修正版を受け取ったら、2D図面を最初から作り直す必要があったが、今回の新バージョンではその問題を解消している」とARES Commander 2022の利点を話す。
また、これまでWindowsのみの提供だったARES CommnaderのBIM機能とCAD機能をmacOS「Mojave(モハベ)」「Catalina(カタリナ)」「Big Sur(ビッグサー)」やLinuxのOSでも使えるようにした。Macの場合は、プロセッサがARMホールディングス製「ARM64」でも、Intel製プロセッサでも共通のインストーラーでARES Commnaderをインストールできるようにした。Linuxは、OSが「ubuntu(ウブンツ)」か「fedora(フェドラ)」でインストーラーが異なる。
なお、ARES Commander 2022では、IFCファイルの2×3、4、4×1、4×2、4×3、RVTファイルの2011〜2021といったBIMのファイル形式に対応している。
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