大東建託とグリッドデータバンク・ラボは、現場の“稼働状況”を把握するために、30分単位の電力使用量を連続的に取得する「スマートメーター」のデータを用いた実証実験を施工中の8現場で行った。結果、対象期間約3カ月の間で実際に稼働があった31日間のうち30日間で作業があったことが電力使用データにより見える化することが明らかになった。
大東建託とグリッドデータバンク・ラボは、現場の“稼働状況”を把握するために、30分単位の電力使用量を連続的に取得する「スマートメーター」のデータを用いた実証実験を施工中の8現場で行った。
建設業界では、作業員の高齢化や若年層の減少などを背景に、働き手不足および現場監督を担う技術者の減少が深刻な問題になっている。そこで、大東建託は、時期によってばらつきがある現場労務の平準化による作業員の働き方改革に取り組んでおり、各現場の稼働状況を詳細かつ効率的に把握する方法を確立することで、優れた労働環境の構築を目指している。
こういった活動の一環として、大東建託はグリッドデータバンク・ラボとともに、スマートメーターのデータを用いた実証実験を実施した。
今回の実証実験では、大東建託が現場管理に利用していたカメラで取得したデータと、スマートメーターで得られる30分単位の電力使用データを比較・分析し、従業員の稼働状況を把握可能かを検証した。結果、対象期間約3カ月の間で実際に稼働があった31日間のうち30日間で作業があったことが電力使用データにより見える化できることが明らかになった。
一方、カメラデータで稼働状況を検知できたのは3日間で、実証を通じて電力データを用いることにより、従来よりも稼働状況を正確に調べられることを確認した。将来的には、スマートメーターによる電力データを活用することで、従来より多くの現場で稼働状況の把握が簡易かつスピーディーに行えることが期待される。
今後、両社は、2020年6月に電気事業法が改正されたことに伴い、契約者の同意と個人情報保護法の順守を前提に、電力データを第三者に提供可能とする仕組みが整備されることを見越し、引き続き、電力データの建設現場における活用に向けた検討を進めていく。
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