シーエーシーは、各従業員の健常時における体温を踏まえて、異常を判断する測温ソリューションを開発した。
シーエーシーは、顔認識のAIやサーモグラフィーカメラ、同社のアプリケーションを組み合わせた測温ソリューションを2021年2月1日に発売したことを同日発表した。
各社では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、発熱者の特定を目的に、さまざまな場所で従業員の検温を行っており、非接触で離れた場所から安全に測定可能なサーモグラフィーカメラも活用されている。しかし、サーモグラフィーカメラによる測温は、対象者が立ち止まる必要があるため待機行列が発生する他、各スタッフが健常時の体温が異なるにもかかわらず、全員一律の基準値で測るといった問題がある。
解決策として、シーエーシーは今回のソリューションを開発した。新ソリューションは、シーエーシー製のPC用アプリケーション、PC、Webカメラ、米国の赤外線カメラメーカーFLIR Systems製サーモグラフィーカメラ、台湾のIT企業CyberLink製AI顔認識エンジン「FaceMe」から成る。使用方法は、スタンドアロンでの利用に加え、ネットワークを構築して、統合的にユーザー情報や測定履歴を管理するといった手法でも使えるため、複数拠点にも導入しやすい。
FaceMeでは、対象者の顔をトラッキングし体温を測定するため、立ち止まることなく測温し、個人を識別して検温することやマスクをした人物の識別も可能。FLIR Systems製サーモグラフィーカメラは、顔の額だけを捉えて測温し、周囲の気温を反映して体温を補正する。
シーエーシー製のPC用アプリケーションでは、一定期間に測定された個人の体温から平均体温を算出し、個人ごとに異なる基準の体温に応じた適切な異常判定を実現している。加えて、異常検知の際には、画面上でのアラート表示や警告音の発報、メールによる管理者への通知に対応している。さらに、計測結果をWeb画面上で見られ、期間などによる照会範囲の絞り込みや検索、Excel出力によるレポート作成ができる。
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