三菱電機が「AI配筋検査システム」提供開始、配筋検査を省力化AI

三菱電機は、独自のAI技術「Maisart(マイサート)」を活用し、コンクリート構造物の配筋検査を支援する「AI配筋検査システム」を開発、2021年2月3日より提供を開始した。配筋検査の省力化を通じて建設現場の生産性向上する。

» 2021年03月22日 08時00分 公開
[BUILT]

 三菱電機は2021年2月3日から、配筋検査技術「AI配筋検査システム」を建設事業者向けに提供開始した。同システムは、同社独自のAI技術「Maisart(マイサート)」を活用し、コンクリート構造物の建設時の配筋検査を支援する仕組みだ。

 ステレオカメラを搭載した端末で撮影した画像から、鉄筋の本数、径、間隔の自動計測を瞬時に行えるため、検査にかかる時間や手間を軽減できるという。従来、複数人で行っていた計測と検査を1人で実施できるようになり、配筋検査の省力化により建設現場の生産性向上が可能であるとしている。

道路工事における「AI配筋検査システム」を用いた検査の様子 道路工事における「AI配筋検査システム」を用いた検査の様子 出典:三菱電機

 同システムは、ステレオカメラ搭載の端末に、天候や鉄筋の状態など条件が異なる配筋画像を深層学習させたAIを実装した「AI配筋計測技術」により、撮影画像から鉄筋の本数、径、間隔を自動計測する。同社実績として、撮影画像からの鉄筋の検出率100%、鉄筋径はD10〜D51の範囲で3ミリメートル単位で判別が可能だ。さらに、鉄筋間隔の計測精度±5ミリメートルなど、高精度な配筋検査を実現するという。

 また、同社クラウドとAI配筋検査端末とを連携し、配筋検査帳票の作成、配筋検査、検査報告書の作成まで、手作業による転記なく自動で実施ができる。従来の配筋検査と比較して検査時間を約60%短縮し、作業を効率化した。さらに、出来形管理や写真管理を行う「施工管理システム」との連携も可能だ。

 AI配筋検査システムの利用料金はサブスクリプション方式による月額定額制としており、新たにハードウェアを購入する必要がないため、初期投資が抑えられて、資産管理も簡易化できるという。

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