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» 2020年06月09日 07時00分 公開

製品動向:シャープと清水建設が作業員1人で配筋検査を行える新システムを開発

これまで、配筋検査は、準備から報告書の作成まで多くの時間と労力がかかることが問題となっていた。従来の配筋検査が抱える長い作業時間や多くの人手を要すといった課題をシャープと清水建設は新システムを開発し解消した。

[BUILT]

 シャープと清水建設は2020年3月、建設現場での配筋検査を円滑に進められる3眼カメラ配筋検査システムを開発した。配筋検査は、コンクリート構造物を構築する鉄筋が正しく配置されているかを確認する品質管理業務で、構造物の強度や耐久性の構築につながる重要な工程となる。

配筋検査の結果を7秒で表示

 これまでの配筋検査は、複数の作業者がスケール(業務用物差し)で対象範囲の鉄筋を計測した後、必要事項を記入した小黒板や検尺ロッドといった道具を配置した上で、検査の実施を証明する写真を撮影するなど、準備から作業が完了するまでに一定の時間を要していた。

3眼カメラ配筋検査システムの使用イメージ 出典:シャープ

 新システムは、作業者1人で専用のカメラを使って、測定と証明写真の撮影ができるため、従前のものと比べ工程が省力化される。複数の画像を自動で合成可能なため、短時間で広範囲の検査が行える。

従来の検査(左)と新システムを使用した検査 出典:シャープ

 また、搭載された3つのカメラで、3方向から同時に対象範囲にある鉄筋の配列状態を撮り、縦・横・奥行きの3次元画像を取得する。3次元画像をシャープが独自開発した画像解析のアルゴリズムで、画像内にある鉄筋の径や配筋間隔、本数を高精度に計れ、検査結果は約7秒で表示。使用された画像解析のアルゴリズムは、映像や画像から対象物を検出する機能を有しており、シャープが複数の会社と共創する8K映像技術「8Kエコシステム」で培ったノウハウを生かしている。

 さらに、結果を調査報告書の作成に使えるデータとして出力するため、報告書を作る手間を減らす。通信回線を経由して、得られたデータを遠隔地にいる人と共有することも容易だ。

 シャープは2019年3月から新システムの有用性を検証しており、今後は、清水建設が現場で適用して、性能を検証していく。

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