ARと5Gでタイの作業現場を日本から遠隔支援

トヨコーは、ドコモのクラウド基盤と海外の5Gネットワークを直結するプラットフォームをタイの屋根防水補強事業で活用。ARと5Gを用いたフィールドテストを実施し、現地メンバーのみで完工した。

[BUILT]

　トヨコーは、タイの屋根防水補強事業「SOSEI工法」での活用に向け、NTTドコモが構築した「5Gクロスボーダー基盤（5G X-Border Platform）」のフィールドテストを実施した。

　5Gクロスボーダー基盤は、ドコモのネットワーク内に設置したクラウド基盤「ドコモオープンイノベーションクラウド」と海外オペレーターの5Gネットワークを、専用ネットワークを経由して直接接続する。オープンインターネットから遮断し、高セキュリティで安定した国際閉域通信を実現するため、安心して利用できる。

サービスイメージ　出典：トヨコー

　今回は、2020年10月15日からプレサービスとして期間限定で法人向けに提供を開始してた、国際遠隔作業支援ソリューションの「グローバル向けAceReal」を活用する。ARスマートグラス、業務支援アプリケーション「AceReal Apps」「クラウドダイレクト」、日本とタイを結ぶ専用通信回線がセットで提供される。

サービスイメージ　出典：トヨコー

　ARスマートグラスを装着したタイの現場作業者の映像や音声を、日本にいる支援者にリアルタイムに伝送する。日本の支援者は、受信した映像や音声をもとに、タイの作業者が必要とするマニュアルや作業指示を書いた現場画像などをARスマートグラス上に表示させ、視覚的にも作業の指示が可能だ。製造業の製品の保守メンテナンス業務、インフラ業の設備点検業務などで活用できる。

AceRealと本プラットフォームを組み合わせた国際遠隔作業支援のイメージ　出典：トヨコー

　トヨコーによると、樹脂を使ったSOSEI工法は、これまで日本人技術者が渡航できないと事業が進まないという課題があったが、タイ関西ペイントでの試験施工で本ソリューション活用し、トヨコータイランドの現地メンバーのみで完工した。今後、日本人技術者が渡航せずに事業を拡大することを目指す。

　またドコモは、タイに拠点を持つ日系製造業を中心に、本ソリューションにより、新型コロナウイルスにより影響を受ける国際間の企業活動をサポートしていくとのこと。