インフラ構造物をはじめ、プラント、鉄塔などの広い分野で、サビ除去の新技術として期待されている「CoolLaser」を開発したトヨコーは、土木研究所の研究開発事業に採択された。
トヨコーが取り組んでいる「レーザーによる表面処理技術を活用した素地調整方法に関する研究開発」が2019年12月26日、土木研究所の「革新的社会資本整備研究開発推進事業」に採択された。
トヨコーは、サビをレーザーで除去する新工法「CoolLaser(クーレーザー)」を開発した。CoolLaserは、従来工法に比べて狭あい部などの困難な場所にも使え、塩分除去も可能であるため、サビの再発防止にも効果がある。これまで課題となっていた施工時の粉じん飛散や騒音、産業廃棄物の大量発生などを抑えられる。
今回の採択により、トヨコーがインフラを延命化させる新技術の研究を進め、その成果が公共工事に反映されれば、国内の橋梁(きょうりょう)の約70%は国や自治体が保有しているので、インフラ構造物の維持管理が全国的に効率化されることが見込まれる。
土木研究所の革新的社会資本整備研究開発推進事業は、国土強靱(きょうじん)化や戦略的な維持管理、生産性向上などに資するインフラに関する革新的な産学の研究開発を支援し、公共事業での活用を推進するために創設された委託研究制度。
研究開発の提案者は、土木研究所から公募のあった研究課題について応募する。評価委員会の評価を踏まえて採択されると、土木研究所と委託契約を結び、最大5億円の委託額が支出されて5年以内に技術研究を進めることとになる。最終的な研究成果は、技術基準や設計仕様へと反映され、公共事業での活用が図られるという。
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