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» 2020年08月19日 09時00分 公開

140カ所の締固め度を約25分で自動計測する大成建設の「T-iCompaction」新工法

大成建設らは、施工範囲全体の締固め度を、非破壊で移動しながら連続的に自動計測し、記録や配信するシステム「T-iCompaction」を開発した。実証試験では、振動ローラー前後輪の間に転輪型RI密度水分計を取り付け、420平方メートルの施工範囲内で140カ所の締固め度を約25分で自動計測した。

[BUILT]

 大成建設は、大成ロテックやソイルアンドロックエンジニアリングと、盛土や路盤施工などの土工事で、地盤の締固め状況を自動計測する品質管理システム「T-iCompaction」を共同開発した。

詳細な締固め度分布をヒートマップで可視化

 道路工事や造成工事などの路盤や盛土の施工では、工事完了後の沈下による変形を最小限に留めるため、ローラなどで転圧して地盤を締固めている。

 また、土の密度と含水量から算出する「締固め度」を指標に施工品質を管理するが、従来の締固め度計測方法は、施工範囲内で計測点が100平方メートルあたり1点程度しかないことや締固めた地盤から人力で試料採取と計測するという手間が掛かるなど、精度や作業性に難点があった。

 そこで、大成建設ら3社は、路盤や盛土の直上から地盤内部の密度と含水量を測定できる「転輪型RI密度水分計」を用いて、地盤の締固め状況を測る新しい測定手法T-iCompactionを開発した。

 T-iCompactionは、施工範囲全体の締固め度を移動しながら非破壊で連続的に自動計測し、記録や配信する。施工状況を高効率で詳細に把握し、締固め不足の見落としなどを防ぐ。GPSを利用した位置情報とも連動させ、締固め度分布をヒートマップで可視化して表示。作業完了後には、ヒートマップの締固め度分布は次の施工方法での改善に生かせる。

 取得したデータは、リアルタイムでクラウドサーバにアップロードし、必要なファイル形式に変換して、関係者間で随時共有できる。これまで、作業終了後に計測データを事務所に持ち帰り、整理を行っていたプロセスの省略が可能となる。

 T-iCompactionを大成建設の自動運転振動ローラー「T-iROBO Roller」に搭載することで、自動で施工と計測の同時進行が実現する。さらに、地盤の締固め度が基準に達していない範囲だけを自動で再転圧することにも対応する。

自動運転振動ローラー「T-iROBO Roller」 出典:大成建設

 新システムの実証試験では、振動ローラーT-iROBO Rolleの前後輪の中間に、転輪型RI密度水分計を取り付け、従来は人力で4点のみ計測していた420平方メートルの施工範囲内で、140カ所の締固め度を約25分で自動計測できることを確認した。計測時間も従来と同程度で、人の手を介さずに同じレベルの測定結果を得た。

従来システム(左)と新システム(右)の締固め度計測の比較 出典:大成建設
実証実験での新システムによる締固め度計測の結果 出典:大成建設

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