西松建設が中柱接合部をプレキャスト化する新構法を開発新構法(2/2 ページ)

» 2020年07月29日 07時00分 公開
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層間変形角1/25rad.まで安定した復元力特性を発揮することを確認

 西松建設が行った中柱での新構法使用を想定した十字形骨組実験では、降伏ヒンジ位置が継手先端の位置に形成されることや大変形の層間変形角1/25rad.まで安定した復元力を発揮することを確認した。

十字形骨組実験(層間変形角1/25rad.) 出典:西松建設

 加えて、曲げ破壊型や梁のせん断破壊型、付着割裂破壊型、接合部せん断破壊型といった実験を行い、ヒンジリロケーション技術を用いた骨組の終局性状を明らかにした。

 耐震安全性の確認では、構造実験と解析的検証を実施。従来の梁は柱面で降伏ヒンジを形成するが、ヒンジリロケーション技術を導入した梁は継手の先端位置で降伏ヒンジを形成するため、弾塑性挙動は複雑となり分析が難しい。

 解決策として、変断面部材の弾性たわみ曲線式と菅野式を用いた復元力特性に基づき、ヒンジリロケーション技術を取り入れた梁の弾塑性挙動を再現する解析モデルを構築し、耐震安全性をチェックした。

 今後、RC造建物の施工合理化と工期短縮を主な目的として、高さ60メートルを超えるRC造建物の設計・施工に対して、「アジャストビーム構法」の適用を推進する方針を示している。

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