コンパクトブレーカーの開発経緯や2017年にモデルチェンジした感震ブレーカーの仕様については、PSGSの進氏が解説した。コンパクトブレーカーは、家庭内電気機器の増加に伴い、住宅分電盤の分岐回路数が増え大型化したことで、スリム化のニーズが高まり2000年に開発された。
安全ブレーカーとは異なり、ネジが無いため、ネジの緩みによる発熱の危険性が無く、サイズも半分となっている。コンパクトブレーカーを装着した住宅分電盤「コンパクト21 コスモパネル」は16回路タイプで、従来品と比べて20%の小型化を果たした。
新型の感震ブレーカーは、従前と比較して、横幅が2分1になっている他、コネクター接続にすることで、疑似漏電線の交換が必要無い。分岐回路を差し込むスペースがあれば、さまざまな形状の分岐回路を取り付けられ、電気の遮断は3分後か即時の2種類を選べ、正常に通電しているかを知らせるブザーも付いている。
「地震時の火災原因は通電火災が多く、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、原因が特定できた建物火災55件のうち、60%が通電火災だった。一方、2015年に開催された内閣府防災会議では、2025年までに木造住宅密集地での感震ブレーカーの設置率を25%にすることを目標にしているが、現況の設置率は1%にとどまる」(進氏)。感震ブレーカーの売上は、2019年度が2.3億円で、2021年度は2.6億円を目標に掲げている。
パナソニック エナジーシステム事業部の川村柳太郎氏は、アフターコロナで貢献するソリューションとして、「かってにスイッチ」を解説した。
かってにスイッチは、2012年10月に発売された製品で、人が照明の前を通るだけで、センサーが検知して照明を自動で点灯するため、スイッチのタッチは不要。天井高さ約10メートルまで対応した「高天井用 かってにスイッチ」は、フォークリフトも感知する。
川村氏は、「当社が2020年6月4〜11日、472人に行ったアンケート調査によれば、新型コロナウイルス感染症拡大後、自宅や外出先でスイッチをタッチすることが気になるようになったと答えた人が全体の80%を占め、非接触でスイッチを操作する“かってにスイッチ”はニーズが高まると感じた」と語った。今後、パナソニックではかってにスイッチを拡販し、2019年比で110%となる売上71.5億円を目指す。
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