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» 2019年03月13日 09時00分 公開

鉄筋工事の品質を確保する新たな配筋検査法「S方式」を考案、赤坂マンションプロジェクトで試行

戸田建設は、鉄筋工事の品質を確保する新たな配筋検査法「S方式」を試行している。設計施工を一括受注している利点を生かし、独自の検査方式を採用することで、鉄筋コンクリート造における躯体品質の向上、とくに鉄筋工事の品質向上への取り組みをさらに推進する。

[BUILT]

 戸田建設は、鉄筋工事の品質を確保する新たな配筋検査法「S方式」を試行している。S方式は、第三(San)者性、厳格な(Severe)などの意。

鉄骨の溶接部検査手法をヒントに、検査内容や判断レベルを統一

 躯体工事で、品質不具合が発生する原因としては、施工者の設計図書の理解不足、設計図書の記載内容の不明確さ、工事監理者との協議不足、工事関係者間のコミュニケーションが足りないことなどが挙げられる。

 これらを防止する取り組みとして戸田建設では、施工着手前の図面読み込みの実施と、課題の早期把握と解決案の策定、決定事項の情報共有(水平展開)を実践。

 具体的には、設計者による工事着工前の構造設計図書の説明会、鉄筋加工・施工専門業者を交えた配筋説明会を開催して、設計意図の伝達と配筋に関する不明瞭さを解消するように努めた。

 作業所主催の配筋事前検討会が開催された後は、工事担当者以外の品質管理課・工事指導役などによる配筋初期の指導を行い、スタッフ部門が作業所と鉄筋加工・施工専門業者と一体となった品質向上の活動を行っているという。

梁配筋状況 出典:戸田建設
梁配筋検査状況 出典:戸田建設

 この活動に加え、配筋検査の第三者性を高め、検査の質の安定化が図れる新しい配筋検査方法のS方式を考案した。S方式は、配筋検査方法を検討して細かくルール化し、不具合の無い、安定した品質を提供できる確実な検査を一貫して実施することに重点を置く。

 S方式の配筋検査では、施工者(設計担当者)による全数検査を前提として、柱・大梁(はり)・小梁・床・壁の部材種別ごとに、検査ロットを構成。品質管理の精度を高めて合否を判定するなど、より厳格な手続きで行う鉄骨の溶接部検査手法をヒントにして検査内容、判断レベルを統一し、均質な検査による確実な躯体品質の実現を目指している。

柱主筋継手の検査状況 出典:戸田建設

 S方式の有効性を確認するため、三井不動産レジデンシャルリースが管理/運営を担う予定の施工中のマンション「(仮称)赤坂4丁目プロジェクト」で、S方式を試行した。

 その結果、S方式では検査回数が増すため、作業所での書類作成・記録の整備業務は増加したが、考え抜かれたルールに従って検査することで、担当者によるバラつきのない、より安定した品質管理を確実に実行することができているという。

 検査を通じた作業所と工事監理者のコミュニケーションもより実践的で、中身の濃い内容となり、不具合防止に大きく寄与している。

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