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» 2020年06月04日 10時00分 公開

アズビルが解き明かす「BAS」解体新書!(2):【BAS徹底解剖】BEMSのクラウド化〜現在から将来に向けた対応〜 (2/2)

[吉田毅(アズビル マーケティング本部 環境マーケティング部),BUILT]
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ユーザーのメリット

 クラウド型BEMSでは、データ及びアプリケーションがクラウドで一元管理されます。ユーザーは、インターネットを介してBEMS機能を利用します。従って、利便性、拡張性、安全性、コストの面でユーザーのメリットが大きいと言えます。

(1)利便性:柔軟な利用形態

 インターネット接続が可能な環境であれば、ユーザーは、任意の時間や場所からクラウドにアクセスし、必要な作業を実施することができます。つまり、個人の利用形態と関係者間での情報の共有性の両面で優れています。

 また、複数の建物を所有・管理している場合、省エネルギー対策を優先する建物や具体的な設備を決定するためには、建物間の比較を実施する必要があります。その際、従来のオンプレミス型BEMSでは、建物ごとのデータや分析結果を集約するのに手間が掛かるという課題がありました。しかしながら、クラウド型BEMSでは、データや分析結果が全てクラウドに集約されているため、複数建物のエネルギー消費原単位などを容易に比較することができます。

効率的なエネルギー管理 出典:アズビル

(2)拡張性:常に最新のサービスが利用可能

 クラウド型BEMSは、その利用形態がサブスクリプション方式であることが一般的です。サービス提供事業者は、サービス内容の陳腐化を防止し、長期に渡って利用してもらうことを目的として、アプリケーションの改善を継続的に実施します。

 また、気象予報や電力逼迫(ひっぱく)情報などの外部・他社クラウドとの情報連携の親和性が高く、AIなどの最新技術を利用したアプリケーションの組み込みが容易なため、これらのリソースを活用したサービスを期待できます。そのため、ユーザーは、陳腐化の心配をすることなく、常に最新のサービスを利用できます。

気象予報を活用したAI予測 出典:アズビル

(3)安全性:サイバーセキュリティの確保

 OSなどで発見される脆弱(ぜいじゃく)性は第三者からの攻撃を容易にするものであり、これらの脅威への対策が実施されなければ、サイバー攻撃への耐性が日々劣化します。サイバーセキュリティの観点では、日々多様化するサイバー攻撃の脅威への対策が必要となります。

 クラウドサービスでは、インターネット通信の暗号化による第三者からの傍受の防止やクラウドに構築されたシステムのOSの脆弱性に対するバージョンアップに加えて、定期的な第三者機関によるアプリケーション脆弱性診断と対策を徹底することで、サービス提供事業者がタイムリーなセキュリティ対策を実施します。

(4)コスト:所有から利用へ

 クラウド型BEMSは、システム(ハードウェア・ソフトウェア)の購入が不要なため、イニシャルコストの低減が可能です。一方、クラウド型BEMSの利用に関しては、ランニングコストとしてサービスの利用料が発生しますが、ユーザーによるシステムの保守や部品交換は不要であり、維持管理のための費用や手間が不要です

クラウドサービスの利用イメージ

今後について

 現状、クラウド型BEMSのサービスは、ビルに設置されたBASデータを収集・蓄積し、主にエネルギー管理や設備保全管理といった管理系のアプリケーションの提供が主流です。

今後は、IoT技術でさまざまな情報を組合せ、立場が異なるユーザーに対して、それぞれ必要な情報を効率的に提供することが期待されています。

 例えば、AIによるエネルギー・空調制御に関するフォルト検知や最適化制御、人検知技術や人流情報を用いた知的生産性の向上に関する取り組みが始まっています。

 また、新型コロナウイルスのようなウイルス感染防止対策としては、空調制御や顔認証(接触から非接触)技術による対策に加えて、クラウドによって人の混雑度や人流を分析し、ユーザーに対して“密”から“疎”への行動変容を促すことが期待できます。

クラウド型BEMSの展望 出典:アズビル

 次回は、BEMSの「人々の安心・安全、利便性への貢献」について紹介する予定です

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