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» 2020年06月02日 07時00分 公開

第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live Vol.2:前田建設アワードの特別賞に、第3の新型コロナ検査法などが受賞 (1/2)

前田建設工業 ICI総合センターが主催した社会的な課題の解決が図れるアイデアを評価するコンペティション「第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live」で、特別賞に医療系ベンチャーのリンクバイオとITベンチャーのレスティルが選出された。

[遠藤和宏,BUILT]

 前田建設工業 ICI総合センターがこのほど、YouTube上で開催したコンペティション「第1回 ICI INNOVATION AWARDS Live」で、医療系ベンチャーのリンクバイオとITベンチャーのレスティルが特別賞を受賞した。リンクバイオは「VSコロナ部門」、レスティルは「Withコロナ部門」での特別賞獲得となる。

 ICI INNOVATION AWARDS Liveは社会的な課題の解決を目的にしたアイデアを評価するコンペティションで、第1回は新型コロナをテーマに定め、66件の応募作から4作品が最優秀賞に輝いた。

 当日行われたプレゼンテーションのうち、リンクバイオとレスティルのセッションを振り返る。今回のイベントでファイナリストに選出された両社には、前田建設工業 ICI総合センターが、アイデアの市場展開と実現に向けた支援や開発資金と実験設備の提供が予定されている。

PCRや抗体を用いた検査に続く、第3のウイルス検査方法

 リンクバイオは、「感染症検査素子アプタマーの超速創生〜独自の分子分離技術がウイルス検査薬開発を超加速!〜」と題し、核酸分子「アプタマー」を感染症検査素子として活用するアイデアを紹介した。

 アプタマーは、抗体と同様にウイルスと結合することで、体内にウイルスがあるかを検出する。抗体よりもサイズが小さく、化学合成や常温保存に応じているといった優位性も備えている。同社では、従来方法に比べて、アプタマーの獲得時間を大幅に短縮する分離技術「MACE Separation(高精度分子分離技術)」を保有しており、アプタマーの高速生産が行える。

アプタマーの特徴

 リンクバイオの開発担当者は、「MACE Separationは東京大学 生命環境科学系 准教授 吉本敬太郎氏が開発した技術で、例えるなら、100兆個のアプタマーからウイルスに適合するアプタマーを抽出するテクノロジーだ。抗体の取得には通常6週間かかるが、MACE Separationを使用すれば、7日以内にアプタマーを得られる」。

MACE Separationのイメージ
MACE Separationを用いたアプタマーの製造速度のイメージ

 続けて、「ハイスピードでアプタマーを生成できる利点を生かし、新型コロナウイルスの第2波が国内で発生した際に、アプタマーを用いた検査キットを短期間で大量製造し、全国民が感染しているか確かめられる体制を構築したい」と今後の方策を示した。

 ICI総合センターに期待することは、「実験スペースと技術系職員の提供や設備導入費用の援助に加え、会社経営の指南や事務系職員とオフィススペースの供給でも力を借り、アプタマーを用いた検査キットの共同開発を試みたい。前田建設工業が有す顧客ネットワークを生かし、マーケティング調査でも協力し、アプタマーのウイルスへの効力を検証することを構想している」と述べた。

 なお、現時点で、新型コロナウイルスに対するアプタマーの検査制度や作成費用、検査キット開発メーカーなどは未定だ。

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