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» 2020年04月01日 09時00分 公開

錢高組がパイプクーリングの新リアルタイム制御システムを現場適用新工法

錢高組はマスコンクリートのひび割れを抑制する工法「パイプクーリング」をリアルタイムに制御する新システムを開発した。

[BUILT]

 錢高組は2020年3月、ソーキの無線式温度監視システム「キュアテンフォメーション」を活用し、マスコンクリートの温度応力解析結果(温度履歴)に沿って、ひび割れを抑えられるパイプクーリングのリアルタイム制御システムを構築し、現場適用したと公表した。

前解析データとリアルタイムに対比

 パイプクーリングは、マスコンクリートのひび割れを抑止する工法として業界で利用されているが、適正な運転管理には多くの手間がかかるといった問題があった。こういった課題を解消したのが新制御システムだ。

パイプクーリングのリアルタイム制御システム概要 出典:錢高組

 新制御システムは、あらかじめ実施した温度応力解析により、コンクリート温度履歴の管理幅を設定し、その幅を超えないようにクーリング水の水温と流量をリアルタイムで遠隔制御する。コンクリート温度やクーリング水温、流量などの計測データは、920MHz(メガヘルツ)無線やWi-Fiを使い、PCやタブレットといった端末に送信し、事前解析データとリアルタイムに対比させる。

 コンクリート温度が管理幅を超えた場合やシステム故障、停電が発生した場合には担当者と関係者にメールで異常を伝える。制御システムを導入することで、パイプクーリングの適正な運転管理が進められるとともに、省力化や不具合と異常発生時に素早い対応が容易になる。

コンクリート温度の制御イメージ 出典:錢高組

 国土交通省 東北地方整備局が発注した東北中央自動車道阿武隈川橋上部工工事で、主桁柱頭部のマスコンクリートに適用され、新制御システムの効力が確認された。パイプクーリングの運転管理を省力化するとともに、目視によるひび割れ調査の結果、有害なひび割れは認められず十分なひび割れ抑制効果が明らかになった。今後はクーリング水の水温や流量調整に関するブラッシュアップを実施し、ボックスカルバートやケーソンなどの工事にも活用していくとしている。

温度解析結果(温度分布)の1例。パイプクーリング無し(左)と有り(右) 出典:錢高組

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