エレベーターとの連携は、ロボットが携帯電話回線を使って信号を送り、カゴの呼び出しや目的階を指定。エレベーター側では、ロボット側からの信号に応じて、エレベーターの稼働制御を行った。
実証に用いたロボットは、日本郵便が2017年に初となるオープンイノベーションプログラム「Drone Future Aviation」で選定したDrone Future Aviationが独占取扱権を保有する「YAPE(ヤペ)」を採用。YAPEは、イタリアのハイテクメーカーe-Noviaの子会社yapeが開発した自動搬送ロボットで、30%の傾斜と7センチの段差に対応し、凸凹した道も走行。本体のサイズは70(幅)×80(高さ)×60(奥行き)センチで、積載可能な重さは10キロ。動力は電動で、最速毎時6キロのスピードが出せる。
今回の結果について日本郵便は、「課題としては、エレベーターに多数の人と同乗するのが難しいことや進行先に人が多数集まった場合に周辺環境の認識に支障を来すケースが見られたため、人との共存における認識精度の向上が挙げられる。また、実用化のためには、オペレーションの簡素化や機体価格の低減などによる運用コストを抑えることも必要と考えている」とコメント。
実用化のめどは、「法規制の影響を受けない屋内環境では、スモールスタートで取り組んでいきたいと考えており、高層マンションやオフィスビルなどの屋内環境での活用を想定している。公道走行も視野に入ってはいるが、法整備の動向を見ながら検討していく。具体的な時期は未定であるものの、5年程度先の実用化を見据えて取り組んでいるところ」と話す。
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