鹿島建設が神奈川県のトンネル工事現場での四足歩行型ロボット実証実験結果に基づき、改良版ロボットの土木工事現場における活用に向け2019年12月に導入を開始した。
鹿島建設は、Boston Dynamics製四足歩行型ロボット「Spot」の実証実験結果に基づき、トンネル内の路盤でも不自由なく歩行できるよう改良を施したSpotを、土木工事現場での活用を目指して2019年12月から導入開始した。Spotの実証実験はソフトバンクロボティクスおよびソフトバンクの協力を得て、横浜環状南線釜利谷ジャンクション Cランプトンネル工事で2018年11月に行われたもの。
2018年11月の実証実験では、360度カメラを搭載したSpotを制御室から遠隔操作。掘削箇所の写真撮影やポンプメーターなどの計器点検、あらかじめ設定したルートに沿って自律歩行できる特性を生かした坑内巡視などを行い、土木工事現場でのロボットの適用可能性を検証して課題を抽出した。
実験結果を受けたソフトバンクロボティクスおよびBoston Dynamicsが、Spotの悪路歩行性能の確認やインタフェースプログラムの改良を行い、土木現場への適用可能性を高めた。
建設土木業界では、新規入職者の確保や生産性の向上だけでなく、自然環境への対応や地下空間などでの作業に対する安全対策が喫緊の課題となっている。
鹿島建設はこれらの課題解決に向けて、ICT技術の導入や自動化への取り組みを加速させており、Spotをはじめとするロボット技術の導入もその一環だ。
Spotの今後について同社は、トンネル工事における坑内測量業務や巡視作業の実証実験を行う他、四足歩行が可能な特性を生かして、急傾斜地すべり地帯での調査・測量などの危険作業を含め、適用先の拡大を検討するとしている。
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