三井住友建設は、三田川PC工場における軌道スラブの鉄筋組立作業に、ロボットアームを用いた鉄筋組立自動化システム「Robotaras(ロボタラス)」の本格導入を開始した。
三井住友建設は2020年2月6日、ロボットアームを用いた鉄筋組立自動化システム「Robotaras(ロボタラス/ROBOT Arm Rebar Assembly System)」を、同社の三田川PC工場(佐賀県)で製造する鉄道構造物の軌道スラブの鉄筋配置・結束作業に導入したと発表した。
Robotarasによってプログラミングされたロボットは、鉄筋の長短に合わせた3種類の鉄筋保持治具と市販の鉄筋結束機を自動着脱後、鉄筋の配置と結束作業を行うことができる。これにより作業員が行う作業は、鉄筋供給機への補充と鉄筋結束機へのワイヤ充填などの補助作業のみとなる。
三田川PC工場では現在、九州新幹線西九州ルートに使用する軌道スラブを製造している。これまでは作業員約20人が手作業で軌道スラブの鉄筋組立を行っていたため、作業員の負担や生産性の点で改善の余地があった。
Robotaras導入による省人化・省力化の結果、人力による鉄筋組立作業(配置・結束)が不要となり、作業員1人当たりの生産性が50%向上した。同工場が製造する軌道スラブの数は約1万2000枚で、その内約100枚をRobotarasで製造する予定だ。
三井住友建設は今後、Robotarasのさらなる開発を進め、プレキャスト工場の製造ラインへの導入を目指す。高速道路の大規模更新事業や超高層マンションの主要構造体などに用いられるプレキャスト部材の製造に、Robotarasを積極的に活用していく考えだ。
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