三井住友建設と日立ソリューションズは、距離を計測するTOFカメラを搭載したタブレットで鉄筋を撮影して、鉄筋径や配筋間隔の計測、帳票作成までをリアルタイムで自動出力する新システムを開発した。このシステムにより、施工管理者が検測で拘束される時間が、3分の1に短縮されたという。
三井住友建設と日立ソリューションズは、TOFカメラ(Time of flight camera)を活用した「鉄筋出来形自動検測システム」を共同開発した。
鉄筋出来形自動検測システムは、光を照射して対象物に反射した光が戻ってくるまでの時間から距離を計測するTOFカメラをタブレットに搭載。カメラユニットには、色彩を判別するRGBカメラも併設され、2つのカメラで撮影した画像を合成することで、鉄筋径と配筋間隔を計測する。
RGBカメラだけでは判別が難しかった多段配置された鉄筋でも、TOFカメラを利用することで、的確に対象の鉄筋を抽出して計測することができるようになった。
計測結果はデータとして記録し、検査写真および帳票を自動作成する。これまでは鉄筋を区別するマーキングや配筋間隔を示す標尺の設置などの事前準備に多くの手間と時間を費やしていたが、特別な技術が要らないため、誰でも容易に検測できるようになり、現場で不足している熟練技術者の解消につながる。
以前の手動計測では、計測、立ち会い、写真撮影、帳票でトータル40分も掛かり、人数あたりでは110分も要していた。新システムでは、計測、写真、帳票のフローが1度だけで済み、立ち会いも施工管理者ともう一人の2人いれば終わるため、全ての作業時間で20分、人数あたりでは30分にまで短縮されるという。
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