ゼンリンデータコムとJR北海道は、鉄道施設を対象にしたドローン点検の実用化に向けた検証を進めている。2019年8月には、廃線となった非GPS環境のトンネル内で、自動飛行とカメラ撮影による非破壊検査の実証実験を行った。
ゼンリンデータコムは、北海道旅客鉄道(JR北海道)と共同で、非GPS環境下のトンネル内でドローンを自動飛行させる実証実験を行ったと公表した。
今回の実験は、これまでJR北海道が徒歩と目視で行ってきたトンネル内の検査や点検に、ドローンを飛ばして撮影した画像を活用することで、将来的な労働力不足などを見据えた維持管理の効率化をはじめ、線路内への立ち入り機会の減少による作業時の安全性向上を目的としている。
非GPS環境下での安定飛行には、周囲の状況や対象の形状を把握し、その形状を基に自己位置を認識することが必要となる。例えば、レーザーセンサーやカメラ認識技術を用いることで、トンネルの断面形状をリアルタイムに捉え、その瞬間にドローンがどこにいるかも把握する技術開発が求められる。
そのため、実証実験でゼンリンデータコムは、ドローンの飛行に関する技術サポートを担当した。現場は、留萌本線の配線区間内に位置する「阿分トンネル」で、2019年8月6〜9日にJR北海道立ち会いのもと、非GPS環境でのドローンの自動飛行と、トンネル全面の動画と静止画での撮影を試みた。
今後については、「JR北海道と共同で研究開発をしていき、将来はドローンの撮影画像を活用し、AIによる解析なども検討していく」とコメント。
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