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» 2019年10月31日 07時00分 公開

Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO:スマホ活用の測量システム、レーザースキャナーとの誤差は約3.7% (1/2)

日立ソリューションズは、現場の生産性向上を目的に、スマートインフラソリューションを展開している。スマートインフラソリューションは、IoTデバイスのデータと空間情報を融合し、作業員や建機の成果や稼働状況を可視化することを目指した事業。活動の一環として、スマートフォンを活用した計測システム「Solution Linkage Survey」を日立建機と開発し、2018年10月にリリースした。

[遠藤和宏,BUILT]

 日立製作所は2019年10月17〜18日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで、セミナーやビジネスセッション、展示などの多彩なプログラムで構成されるイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO」を開催した。

 会期2日目には、日立ソリューションズ クロスインダストリーソリューション事業部 ビジネスコラボレーション本部 空間情報ソリューション開発部の賀川義昭氏が、「スマートフォンで撮影するだけで現場の課題を解決〜工事の進捗管理や原材料の在庫管理を手軽に簡単に〜」と題した講演を開いた。

1時間で土量の測定を完了

 賀川氏は業界が抱える問題について、国土交通省の資料を用いて解説した。建設業就業者数は、1997年時点で685万人いたが、2016年には492万人に縮減し、現在に至るまで減少の一途をたどっている。高齢化率も進行し、2016年には、全体の33.9%を55歳以上が占め、29歳以下が11.4%にとどまった。

建設業界における課題
土工現場の生産性の問題

 賀川氏は土工分野のボトルネックについても言及。トンネル工事は、1955年から2010年の間に生産性が10倍に向上している一方、土工では、1984年と2010年の作業効率を比較すると、横ばいとなっており、著しい進歩はないという。

日立ソリューションズ クロスインダストリーソリューション事業部 ビジネスコラボレーション本部 空間情報ソリューション開発部の賀川義昭氏

 こういった業界の状況を踏まえて、日立ソリューションズは、施工における日々の進捗管理や土の運搬量を測る用途で3次元計測のニーズがあることを把握。その需要に対して、ドローンやレーザーより手間がかからないスマートフォンを活用した計測システム「Solution Linkage Survey」を日立建機と共同開発した。

 Solution Linkage Surveyは土量などを簡単に導き出せる測定システム。使用手順は、まず、RTK-GNSS(リアルタイムキネマティック衛星測位システム)を連動させながら、スマートフォンの専用アプリで対象物を動画撮影する。得られた位置情報付きの画像をクラウド上で3次元モデルにした後、ダウンロードし専用アプリの3Dビュワーで、指定した範囲の体積・距離を算出。全体を通して1時間で仕事が完了するという。

 賀川氏は、特徴について、「スマートフォンでターゲットを移動しながら撮れるという使い勝手の良さや低価格GNSSアンテナを組み合わせることで安価な利用料を実現した。また、位置情報付き3Dモデルをクラウド上で自動生成が可能なことも利点として挙げられる」と説いた。

スマートフォンを活用した計測システムのワークフロー
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