Solution Linkage Survey内の工夫についても明かされた。クラウド上での3次元モデルの自動生成にはSfM(Structure from Motion)ソフトウェアを採用。SFMは、視点の異なる複数枚の画像からカメラの相対位置と被写体の3次元形状を復元する技術で、ドローンを用いた空撮でも使用されている。
Solution Linkage SurveyのSfMは、動画から収集した移動の軌跡やカメラの向きを使用して、画像を適切に切り出す仕組みとなっており、歩行しながらの撮影を可能としている。
通常、3次元モデルの絶対座標を求めるには測量した基準点を撮り、3Dモデル化時にその座標を入力する必要がある。だが、Solution Linkage Surveyは、スマートフォンとGNSSアンテナを組み合わせたRTK-GNSS測位により、数センチの誤差で直接3Dモデルに位置情報を加えられるため、少ないプロセスで業務をやり遂げられる。
トプコン社製レーザースキャナー「GLS-2000」とSolution Linkage Surveyの計測を比較した精度検証は、同じ山を標的にして、福井コンピュータ製点群処理ソフト「TREND-POINT」を使い、進められた。
土量測定結果は、Solution Linkage Surveyが371.9立法メートルで、GLS2000が386.2立法メートルとなり、差は14.3立法メートルで、約3.7%の差分となった。
東広島市の活用事例では、2018年7月の豪雨に伴う農地の被害箇所の災害査定調査におけるSolution Linkage Surveyの使用が挙げられた。従来のポールなどを使った測量に比べ、半分以下の人数と作業時間で終えられたという。
システムの構成機材は、AndroidスマートフォンやGNSSアンテナ(u-blox M8Tチップ搭載)、USBホストケーブル、専用グリップ、VRS(仮想基準点)サービスで、専門機器を必要としない。
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