インタビュー
» 2019年09月17日 05時00分 公開

建設テックで変わる解体業界:解体工事の“多重下請け構造”を解消!施主と業者をLINEでダイレクトマッチング (2/4)

[石原忍,BUILT]

依頼から成約までを一気通貫でサポート

川口CEO 施主と下請け工事会社のマッチングで、業界のピラミッド構造の階層を浅くできるのではと、会社を起ち上げて始めたのが、解体工事にスポットを当てたマッチングサービス「くらそうね解体」だった。戸建て住宅の建て替え、立ち退き、解体費用を少しでも抑えたい、工事中に近隣に迷惑を掛けたくないなど、クリーンな会社との出会いを望む声を掬(すく)い取れるサービス形態を考案した。

マッチングサービス「くらそうね解体」

 登録してもらう工事会社は当初、タウンページを見て飛び込みで当たった。ただ、どんな企業であっても、数さえ増やせば良いという方針ではなく、選定に当たっては、独自の基準を設定。「建設業許可(解体工事業)の保有」「公知情報データベースに基づく反社会的勢力の排除」「工事丸投げではない自社施工」といったごく当然のコンプライアンスから、「工事前の近隣あいさつ」「不当な追加費用を請求しない」「産業廃棄物管理票(マニフェスト)の適正運用」などの誠実な顧客対応や健全な業務遂行能力などをチェックした。

 厳正な審査によって、これまではどこにいるのか見えなった良質な施工会社だけが残った。いまでは解体工事会社だけで、1000社以上のネットワークが構築されている。

――マッチングまでの流れ

川口CEO くらそうね解体の仕組みは、引っ越しの一括見積もりをイメージしてもらえれば分かりやすい。ただし、引っ越し会社からひっきりなしに電話がかかってくるように、解体工事会社から電話がかかってくることは一切なく、施主と工事会社の両者の間にクラッソーネが入って、オーダーを受けてから解体工事会社を決定するまでのプロセスを一気通貫でサポートする。

 具体的なフローとしては、クライアントからオーダーが来たら、最大で3社の会社に現地調査を依頼。後日、見積もりが送られてきたら、専門知識の無い施主に見るべきポイントなどをレクチャーしつつ、成約までをフォローする。着工後の相談にも応じるオペレーターは、住宅メーカー出身者など、豊富な知識を有する20人が常駐している。

「くらそうね解体」の仕組み

 2012年には、外構工事バージョン「くらそうねエクステリア」の運用も始め、外構工事の会社数も解体と同数程度の約1000社が登録している。両サービスを合わせた累計の見積もり件数は約5万件、依頼数は年間で1万3000件の申し込みが寄せられるまでに成長した。

 くらそうね解体/エクステリアは、施主にコストダウンの恩恵をもたらすだけではなく、厳正な審査をクリアした施工会社が手掛けることで高い工事品質も提供している。施工会社にとってもメリットがあり、ハウスメーカーの閑散期に左右されずに受注件数の標準化につながる他、じかに施主とやりとりすることで、ダンピングの無い安定的な利益確保ももたらされる。

外構工事を対象に2012年にローンチした「くらそうねエクステリア」

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