戸田建設は、工事現場で使用する電力を再生可能なエネルギーに由来するものに切り替えることを推進している。
戸田建設は2019年9月2日、東京駅前の常盤橋プロジェクトA棟新築工事など、都内で進める超高層建築作業所の工事用電力を同年9月1日から100%再生可能エネルギーに由来するものに変更したと発表した。超高層の大型建築作業所で、完全再生可能エネルギーを行うのは日本初のケースだという。
戸田建設は、使用する電気を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加する国際企業イニシアチブ「RE(アールイー)100」への加盟後、事業活動に使用する電力を再生可能エネルギーへと切り替えることを表明。同年7月には、実際に同社の筑波技術研究所の電力を再生可能エネルギー由来のものに移行した。
東京駅前常盤橋プロジェクトA棟新築工事では、省エネルギー関連事業を展開するエバーグリーン・マーケティング(EGM)から実質的に再生可能なエネルギーとなる電力を100%受電している。
EGMが供給する電力は、波崎ウインドファーム風力発電所を中心とした各所の太陽光発電所から調達したFIT電気に、これらの発電所の「トラッキング付非化石証書」を付加したもの。こういったスキームで受電されているため、再生可能エネルギー発電所が生み出す電気自体の価値以外のCO2を排出しないといった利点を評価した「環境価値」を伴ったRE100基準を満たす再生可能エネルギー電力と認められている。
FITとは、再生可能エネルギーを用いて、発電された電気を国が定める価格で、一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度。トラッキング付非化石証書は、FIT対象の再生可能エネルギー発電所の電気に対して、属性情報として発電源が特定されている再生可能エネルギー証書を指す。
RE100へのロードマップでは、事業活動に使用する電力を2040年までに50%、2050年までに100%再生可能エネルギー電力とすることを目標としている。また、こういった取り組みを推進することで、エコ・ファーストの約束を順守し、SBT(Science Based Targets)イニシアチブが設定しているCO2排出量の削減目標の達成も目指していく。
エコ・ファーストの約束とは、環境大臣に対して示した企業の環境保全に関する取り組みであり、主な目標はCO2排出量を2050年に1990年比で80%削減としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.